高卒→ドイツ名門行きの逸材タレント、福田師王は何が凄い? 海外クラブが惚れこんだ才能とは

神村学園FW福田師王【写真:FOOTBALL ZONE】
神村学園FW福田師王【写真:FOOTBALL ZONE】

神村学園エースが選手権に登場、今大会“主役中の主役”が爆発なるか

 第101回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕し、1回戦を終えた。大晦日となる31日は2回戦が行われ、いよいよ今大会の主役中の主役である神村学園(鹿児島)のエースストライカーFW福田師王の高校最後の選手権が幕を開ける。

 神村学園は1回戦がシードで、2回戦が初戦となる。初戦の相手は前々回大会の王者・山梨学院(山梨)と難敵だけに、エースの爆発が期待される。

 改めて福田は何が凄いのか。1年時から神村学園のエースストライカーとして君臨。ずば抜けた身体能力とゴールへの鋭い嗅覚を持っている。相手DFを背負ったり、肩で抑えながらボールを受けると、軸のブレないドリブルからしっかりと踏み込んで鋭く足を振り抜く。

 1年時はどちらかと言うと感覚に頼ったプレーをしていたが、2年、3年と学年が上がるにつれて、パワーはもちろんより周りの状況を冷静に見ながら、時にはエゴイスティックなプレーやつぶれ役を買って出て周りを活かすプレーをするなど、高度な駆け引きと判断が伴ってきた。

「どんな試合でも結果を出すことを意識しています。力を抜いていい試合なんてない。常に誰かに見られている意識でやらないと、それこそJリーグや海外のクラブの目には留まらないと思っているので」

 1年時からより高みを目指そうとする意識は非常に高く、常に向上心と闘争心を持ってプレーしていた。同い年でライバルであるFW大迫塁(セレッソ大阪入り内定)と全体練習が終わってもひたすらシュート練習に打ち込み、常に実戦をイメージしながら動き出しのタイミングや受ける姿勢など、細部まで神経を張り巡らせながらフィニッシュワークを磨いた。

 学年を重ねるごとにストライカーとしてのスケールは増し、注目度も上がっていった。1年時からJクラブの熱視線を浴び続け、昨年から今年にかけてJ1の強豪クラブがこぞって獲得に動き、ドイツ1部の名門バイエルン・ミュンヘンなどの海外のクラブの練習にも参加。その結果、ドイツ・ブンデスリーガの名門ボルシアMGへの加入が決まった。

「僕はまだフィジカルが弱いと思っています。海外や代表で戦うためには吹っ飛ばされないような身体にしないといけないし、フィニッシュの精度も上げていかないといけないと常に思っています」

 向上心の塊と言える福田にとって、選手権にはあまりいい思い出がない。前々回大会では2回戦の近江(滋賀)戦でチームをベスト16に導く決勝ヘッドをマークしたが、3回戦の富山第一(富山)戦では不発に終わり0-1の敗戦。前回大会では初戦の帝京長岡(新潟)戦で1ゴールを挙げたものの、チームは2-3の敗退を喫した。

「目標は全国の頂点に立つこと。(大迫)塁と一緒に優勝旗を抱えることと、高校生なら誰も止められないような選手になりたい」

 結果も含めて大会の主役になるために。大会得点王と全国制覇だけ求める高校ナンバーワンストライカーは、自分を信じて、仲間を信じて力強くその一歩を踏み出す。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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