徳島市立、涙の選手権敗退 コロナ陽性者続出…部員3分の1感染で活動停止、試合キャンセル 監督無念「可哀そうだった」
徳島市立が尚志に3失点で完敗、夏のインターハイ後に歯車狂う
少しずつ、少しずつだが、日常に戻ろうとしている。第101回全国高校サッカー選手権大会は12月29日、首都圏各地の会場で1回戦を行った。昨年まではミックスゾーンでの取材は行われず、オンラインで選手や監督の取材をした。しかし、今年は対面での取材が可能となった。
大会がコロナ禍以前に戻ろうとしているが、高校サッカーの現場は、なかなかうまくいかない。ニッパツ三ツ沢球技場で尚志(福島)と対戦した徳島市立(徳島)は0-3のスコアで敗れ、1回戦敗退となった。
最初の決定機を掴んだのは、徳島市立だった。前半10分にコーナーキック(CK)からDF稲川陽友がヘディングシュートを放ったが、GK鮎澤太陽の好セーブに阻まれた。それ以降もカウンターを中心にチャンスを作る場面もあったが、GK鮎澤の存在もあって得点を挙げられなかった。
2大会ぶり19回目の出場となった徳島市立は、上位進出も目指せるだけのタレントが揃っていた。今年7月から8月にかけて四国4県と和歌山でインターハイが開催され、サッカーは徳島で開催された。3年生たちは、今大会を目指して強化されてきた選手たちだったのだ。しかし、河野博幸監督は万全の状態で臨めなかった悔しさや無念をこぼした。
「打ち合いをしようと思ったら、局面の精度とか、個の力とか、そのあたりの差が出てしまう。そこの甘さが出てしまった。練習も、練習試合もずっとできていなかったので、相手のスピード感に対応できず、局面のルーズボールやセカンドボールは全部拾われていた。自分たちが拾えるところでも落としたり、奪われたりしていた。試合勘がなく、そういう部分を出せなかったのは可哀そうだった。ある程度は良い形を作ったが、『ある程度』だった。尚志の選手は、持ち出せるところは持ち出してくるし、1人で剥がせるところは剥がしてくる。うちにはそれがなかった。グループでとなった時も、試合勘とか前に出る思い切りの良さが欠けていた」
歯車が狂い出したのは、夏のインターハイ後だったという。コロナ陽性になる選手が続出。大会を目前に控えた2週間前にも「結構、コロナになった子が出てしまい、学校も学級閉鎖になるような状況だった。ルーキーリーグ(12月17日から19日)も辞退したんです。出発の前の日にそういうことになったので。こちらのマネジメント、管理も含めてスポーツ、サッカーなので、そういうところが甘かったかもしれない」と、振り返る。