CB以外のポジションがこなせるゆえ、チーム事情で中田監督からベンチスタート依頼

　盛岡商（岩手）は、12月29日に行われた第101回全国高校サッカー選手権大会1回戦で帝京第五（愛媛）に2-1と勝利した。1ゴール1アシストを記録したMF月折隼斗は、「今までサッカーやってきたなかで、まだ1回戦なんですが、一番嬉しいっていう思いです」と笑顔を見せた。

　その月折は後半13分から途中出場し、そのわずか2分後に豪快な同点ゴールを突き刺す。

「クロスが上がる時にファー（サイド）は特に狙ってて。誰かが競って、ファーにこぼれてくるなっていうのを予測して。それが的中して、自分のとこにこぼれてきたので。あとはファーのコースにぶち込んでやろうっていう気持ちで」

　右利きの月折ではあるが、自信があるという左足でのファインゴールだった。

「自分は右利きなんですが、左足も結構自信あって。ちゃんと当てれば枠に入るいいシュートを打てると思ったので。これまで練習してきた左足が、それがやっぱりこの結果につながったかなと思います」

　まさに練習は裏切らないということだろうが、センターバック（CB）以外のポジションをこなせるという月折は、ボランチの控えが手薄なチーム事情に備えるため、戦略的なベンチスタートを中田洋介監督に依頼され、大きなショックを受けたと話す。

「CB以外のポジションがこなせるので。それでボランチのサブがあんまりいなくて。自分を最初にベンチにおいて、全部のアクシデントに対応できるみたいな感じで。それを言われた日は、結構切り替えれないっていうのがあったんですけど」

　ただ、最終的にチームのためだと受け入れて、切り替えて試合に臨んでいたのだという。

「途中出場だということは、だいぶ期待されてると思うし、そこで結果出さないと意味がないと思うんで。その思いを大きな結果で出せて良かったです」