「正直、今でも決めちゃいけない」 日大藤沢の佐藤監督、森重陽介の“二刀流”の可能性に見解

日大藤沢のFW森重陽介(19番)が西原戦で2ゴール【写真:徳原隆元】
日大藤沢のFW森重陽介(19番)が西原戦で2ゴール【写真:徳原隆元】

清水に加入内定している森重は1回戦の西原戦で2ゴール

 第101回全国高校サッカー選手権は12月29日に各地で1回戦の試合が行われ、卒業後のJ1清水エスパルス入りが内定している日大藤沢(神奈川)の198センチFW森重陽介は西原(沖縄)戦で2得点し、“二刀流”こそ本格披露はならなかったが前評判通りのプレーを見せた。

 ピッチ上でひときわ目立つ長身が生かされたのは前半13分だった。森重はゴール前で相手に当たって浮いたボールに反応すると、距離を詰めようとする相手GKよりも高い位置からヘディングで押し込む先制点。さらに、後半3分にはクロスを打点の高いヘディングで叩いて2点目。恵まれた体格を生かしてチームを2-0の勝利に導いた。

 後半14分には選手交代に伴い、センターバック(CB)へとポジションを変えた。1分後には右ふくらはぎをつって交代になるアクシデントだったが、佐藤輝勝監督はこの起用法を「地方大会からの流れ」と話し、この“二刀流”には狙いもあると話している。

「チーム事情にもよる。前にも有竹(翔吾)がいるし、相手の状況を見ながら生かしたい。(1年生では)CBで入ったけど、FWもやっていて、いろんなプレーを見ていくなかで、正直、今でも決めちゃいけないと思っている。可能性があるので。性格はFWだと思うけど、牙を折らずに。もうちょっと厳しくしても良かったかもしれないが、高校生らしいプレーも持っているし、そういう性格もある。両方を考えて指導した。1年生の時はCBが多かったけど、身体作りができて動けるようになってから両方やらせている。我慢しながら、身体がついてくるまで、すぐダメとかではなく、ミスは全然気にするなと言い続けた」

 実際に、内定している清水でもCBとFWでそれぞれ1回ずつ練習参加しているという。実際には登録がFWになったということもあり、森重は「そういうことなのかなと思う」とプロ入りを見据える。それでも「どちらのポジションもやるからには、気持ちも身体もパッと切り替えられなければいけない」とも話した。

 長身から繰り出されるプレーのスケールの大きさは間違いない。プロ入り後も二刀流の選手として起用されていくのか、キャリアの早い段階でどちらかのポジションに専念することになるのか、この高校選手権の間にも可能性を感じさせるプレーが期待できそうだ。

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