第2次森保ジャパン発足へ…メリット&デメリットは? 懸念される新陳代謝なきメンバー固定化、カタールW杯で“満足”では危険
26年W杯へ森保一監督の続投を決定、メリット&デメリットを考察
カタール・ワールドカップ(W杯)で、目標のベスト8に届かなかった日本代表だが、日本サッカー協会は12月28日に臨時技術委員会、臨時理事会を行い、森保一監督の続投を決定した。契約期間は2026年にアメリカ、カナダ、メキシコの3か国で共催されるW杯までとなった。
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森保監督が続投するメリットとデメリットは、何があるだろうか。
同じ指導者のもとで継続的な日本代表の強化ができることは、戦術の浸透という点でおいてメリットがある。新しい監督が来て、一から戦術を植え付けるよりも、これまで4年間やってきたことがベースになるのは、スタート地点が早いと言える。同じ指導者がやることによるマンネリはデメリットにもなり得るが、普段は所属クラブでプレーしているなか、パッと集まって短期間で代表の戦術に合わせないといけない現状では、デメリットよりもメリットが上回る印象だ。
また、森保監督は東京五輪のU-24日本代表チームの監督も兼任してきた。オーバーエイジの選手たちはともかく、U-24の選手たちがこれからキャリアのピークを迎えるなかで、彼らを良く知る監督がチームを率いるのもメリットと言えるだろう。ただし、新陳代謝がなくメンバーを固定化してしまうとチーム内での競争がなくなる可能性もあるが、第1次森保ジャパンでは、一時的にMF堂安律を代表から外して奮起を促し、W杯本大会の活躍につなげた実績もある。カタールW杯をともに戦った選手たちを特別視せずに、常に代表を活性化できる人選ができているかは、周囲も指摘しなければならない点だろう。
デメリットと考えられるのは、世界のトップレベルである欧州の各国でプレーしている選手たちに対して、最先端の戦術を持てていないところだ。所属クラブでビッグクラブを相手に結果を出したことのある選手たちのなかには、カタールW杯での戦い方に満足していない選手もいる。今回はドイツ代表やスペイン代表を相手に結果にこだわり、両ウイングバックが引いてスペースを消してカウンターを狙う5バックで戦うことを受け入れた。だが、選手たちのコメントを聞いていると、次回大会でも同じ戦い方をすることへの拒否反応を示す可能性が高そうに思う。もちろん選手個々の力量差も大きいのだが、戦術面で彼らが納得できるだけのトライもできるようになるかは、森保監督の不安点に挙げられる。