日本サッカー史に残るW杯予選「劇的ゴール8選」 アジア勢との戦いで生まれた奇跡の瞬間とは

ジーコジャパンを救ったのは交代3人目の…

 2002年の日韓大会は地元開催のためアジア予選が免除されたなか、ジーコ新監督の指揮下でスタートした06年ドイツ大会へ向けた道のりも、劇的なゴールで幕を開けた。

 2次予選から登場した日本は、04年2月18日の初戦でオマーンと対戦。MF中田英、MF中村俊輔といった二枚看板を擁したチームだったが、格下と見られたオマーンを相手にゴールを奪えず、スコアレスのまま試合が進んでいった。

 焦燥感が溢れる空気を切り裂いたのは、後半から出場したFW久保竜彦だった。アディショナルタイム3分、相手のクリアボールを中村が足に当てると、相手DFに当たったボールはフリーになっていた久保のもとへ。相手GKと1対1になると冷静に左足で流し込み、埼玉スタジアムが歓喜に包まれた。7年ぶりのW杯予選で、改めてその厳しさと大きな喜びを感じた一瞬だった。

 さらにこのジーコジャパンは、最終予選の初戦でも劇的ゴールが生まれている。05年2月9日の北朝鮮戦は、中田が負傷で欠場し、中村とFW高原直泰の海外組2人もベンチスタートになった。中村のポジションで出場したMF小笠原満男が前半4分に直接FKを決めて先制に成功したが、後半16分に北朝鮮に同点ゴールを献上。すると、ジーコ監督は立て続けに高原と中村を投入した。

 しかし、その一戦で劇的な決勝弾を決めたのは、3人目の交代選手だったFW大黒将志だった。アディショナルタイムに突入した直後、右サイドからのクロスを相手GKがパンチングしたボールがMF福西崇史に当たってこぼれると、大黒は反転しながら左足を一閃。ボールは大歓声のなかでゴールに吸い込まれた。プレッシャーに包まれた最終予選の初戦で、オマーン戦に続く埼玉スタジアムでの歓喜となった。

 

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