ハリルの解任危機を救った殊勲の山口 イラク撃破のゴラッソの伏線となった、ある「ミス」

ドイツから半年で帰国し、J2からの選出「監督に感謝したい」

 ゴール前に顔を出しながらも一瞬の迷いによって、ゴールチャンスを逃してしまった。その悔しさがあっただけに、後半終了間際の大チャンスでシュートを低い弾道に留め、迷いなく右足を振り切れた。バースデー弾で日本中に安どと歓喜をもたらす一撃を決めた山口は、得点への意欲、そして指揮官への感謝を控えめながらもこう語った。

「誕生日に得点を決めたことはないんじゃないですかね? ここまでの劇的なゴールは記憶にないです。(得点自体は)東アジア選手権ではありましたけど、代表の大きな試合で取りたいなという気持ちは持っていました。交代のチョイスの中で自分を選んでくれたってことに関しては、ハリルホジッチ監督に対しては感謝しなくちゃいけない。それがたまたまゴールという結果につながったっていうのがあるから、自分自身ホッとしています」

 最後の最後に“蛍の輝き”を放った男はすでに、勝って兜の緒を締めている。「たまたま自分がゴールを獲っただけなので、次の試合に負けたり引き分けてしまうと、苦しんで勝ったものが無駄になってしまうので」と、11日の敵地オーストラリア戦でも勝利を目指すと力強く宣言した。B組最大のライバルとなる2015年アジアカップの優勝国との敵地決戦では、山口の守備力が生きるはず。次の大一番でも結果を残せば、ハリルジャパンのラッキーボーイとなるのかもしれない。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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