今冬欧州ビッグクラブ移籍? カタールW杯で“株高騰”、市場価値を上げた「注目タレント7人」
モロッコ躍進の最大の功労者は、リバプールから関心との噂も
■ドミニク・リバコビッチ(GK/クロアチア代表/ディナモ・ザグレブ)
日本代表、ブラジル代表とのPK戦で大活躍して評価を高めたが、好パフォーマンスはPKにとどまらない。安定したバックパスの処理やフィード、ハイボールの対応など、流れの中でも存分に存在感を示した。準々決勝のブラジル戦では延長戦の後半アディショナルタイムに、MFカゼミーロのシュートをビッグセーブしたことがPK戦につながった。オフに負傷したドイツ代表GKマヌエル・ノイアーに代わり、ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンが獲得に乗り出すという報道もあったが、プレミアリーグ移籍が取り沙汰される。
■ソフィアン・アムラバト(MF/モロッコ代表/フィオレンティーナ)
強さと柔らかさを兼ね備えた中盤の狩人。モロッコ躍進の最大の功労者との評価も高く、英紙「デイリー・メール」ではイングランド1部リバプールからの関心が伝えられている。直接的なボール奪取やセカンドボールの回収から正確なファーストパスでカウンターの起点に。短い時間ながらモロッコがポゼッションでボールを動かす時間帯でも、正確な技術と的確な選択が目を引いた。26歳という年齢ではあるが、ビッグクラブでも十分に即戦力になるだろう。
■ゴンサロ・ラモス(FW/ポルトガル代表/ベンフィカ)
ラウンド16のスイス代表戦で、FWクリスティアーノ・ロナウドに代わりスタメン出場。ノックアウトステージでは同国最年少の得点記録を更新するなど、ハットトリックで期待に応えた。準々決勝でモロッコ代表に敗れたポルトガルだが、その中で最も評価を上げたアタッカーだ。ポルトガルリーグの前半戦で9得点をマークしており、21歳でここからの伸びしろも十分。MFエンソ・フェルナンデスと同じく、ベンフィカがCLのラウンド16に勝ち上がっていることもあり、今冬に動くのか、シーズン終了まで待つのかはオファー次第だろう。
■コーディ・ガクポ(FW/オランダ代表/PSV)
オランダ代表はアルゼンチン代表との準々決勝でPK戦の末に涙を飲んだが、グループリーグ3試合で得点を上げるなど、23歳のアタッカーは確実に評価を高めた。193センチというサイズながら柔軟性があり、2列目でもプレーできる。流れに応じてフィニッシャーにもラストパスの出し手にもなれる選手だ。空中戦で武器になる高さを考えると少々勿体ないが、セットプレーのキッカーとしても優れている。その成長ぶりには元同僚のMF堂安律も驚きを隠さないが、プレミア行きか、それとも……今後の移籍市場で最も注目を集めるタレントの1人かもしれない。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。