【W杯】衝撃“ベンチ蹴り込み”は「レッドでもおかしくない」 大荒れの一戦を検証「誰がやってもこうなったかも」
判定検証番組「W杯ジャッジリプレイ」でアルゼンチン対オランダを議論
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ワールドカップ(W杯)ジャッジリプレイ」で、カタール・ワールドカップ(W杯)の準々決勝、アルゼンチン代表とオランダ代表の試合が取り上げられた。
この場面では後半43分、アルゼンチン代表MFレアンドロ・パレデスが相手MFフレンキー・デヨング、DFナタン・アケに対して立て続けにスライディングタックルし、アケへのプレーがファウルと判定された直後にオランダのベンチへ向けて強烈なシュート性のボールを蹴り込んだ。この後にオランダのベンチから選手も飛び出してきて騒然としたが、最終的にパレデスにはイエローカードが提示された。一方で、オランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクもこの間にパレデスに体当たりをして吹き飛ばしていた。
ゲスト出演した元日本代表MF遠藤保仁は「ここ(アケへのタックル)でイエローカードが出て仕方がないし、この後の(ベンチへの)カミソリシュートは、出ますね、これ」とコメント。「イエローカード2枚、あるいはレッドカードが出てもおかしくないし、その後のファン・ダイクもレッドカードが出てもおかしくない」と、両チームから退場処分が出ても不思議ではないと話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「タックルには十分にイエローカードに該当する。ボールを蹴った行為をどう捉えるか。反スポーツ的行為か、乱暴な行為の中にある日本語では粗暴な行為。対立を巻き起こす以上のことがあるので、タックルにイエローカード、その後の行為にイエローカードでの2枚でレッドカードか、タックルにイエローカードとベンチへの粗暴な行為での一発レッドカード。ファン・ダイクに対しても少なくともイエローカード、レッドカードも十分に受け入れられる強さ」と話した。
そのうえで、進行役の桑原学アナウンサーからは試合前日会見でオランダのルイス・ファン・ハール監督がアルゼンチンを挑発するようなコメントがあったという背景が紹介された。結果的にイエローカードが合計18枚出るような試合だったが、そのような背景があるゲームでレフェリーがどうすべきかという話題が振られた。
家本氏は「誰がやってもこうなったかもしれない」と、精神的な対立が強まっていたことを指摘したうえで、試合の初めにイエローカードを連発してコントロールしようとした行為が裏目に出たという印象を話した。ゲスト出演した元日本代表FW佐藤寿人氏は「一緒に仲良くゲームを作り上げるのは難しいと思うが、キャプテンも冷静にゲームに入れていない状況を見れば、レフェリーにだけ責任を負わせるのは難しいのではないか」と話した。
遠藤は「若いころは(レフェリーに)強く言っていたけど、経験を積むことで優しくコミュニケーションを取るようになった。でも、前日から言い合いになるとか、リスペクトを欠く感じになるとこうなってしまう。家本さんが話したように早くからイエローカードを出すと、抑止力になることもあるけど、それが基準になってしまうとポンポンと出てしまい逆効果になることもある」と話す。そのうえで、スペイン人レフェリーのマテウ・ラオス氏が担当したことから「言葉が通じるアルゼンチンの選手はもっとコミュニケーションを取った方が良かったかもしれない」と指摘していた。