韓国は「政権が変わるたびにスポーツ政策が変更されてきた」と継続性の欠如を指摘

　カタール・ワールドカップ（W杯）で韓国代表としてプレーしたDFキム・ミンジェ（ナポリ）が「日本がうらやましい」と日韓代表の海外組の違いを指摘したことが大きな反響を呼んだ。韓国の総合ニュースサイト「ニューシス」は、「キム・ミンジェはなぜ日本がうらやましいのか…日本のスポーツ政策に秘密がある」と、ライバル国・日本の現状について分析している。

　韓国はポルトガル代表、ウルグアイ代表、ガーナ代表と同居したグループHで1勝1分1敗の勝ち点4でウルグアイと並んだが、総得点の差で2位となり、決勝トーナメントに進出。ラウンド16でブラジル代表に敗れたものの、たしかな存在感を示した。

　一方の日本は、ドイツ代表、コスタリカ代表、スペイン代表と同居する“死の組”と呼ばれたグループEでドイツとスペインを破ってグループ首位通過。決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表にPK戦の末に敗れて目標とするベスト8には手が届かなかったが、Ｗ杯優勝国を2つ撃破する戦いぶりは称賛された。

　そうしたなか、キム・ミンジェは「韓国ではヨーロッパ進出が難しい」と言及。その理由について、「クラブと解決しなければならないことが多い。移籍料も高い。今回、Kリーグの選手たちもW杯で活躍した。クラブの立場でむやみに言うことはできないが、あえて一言言うとすれば、ヨーロッパのチームからオファーが来たら快く送り出してほしい」と提言しており、「日本がうらやましい」という発言をしたことが大きく取り上げられた。

　韓国の総合ニュースサイト「ニューシス」は、「キム・ミンジェはなぜ日本がうらやましいのか…日本のスポーツ政策に秘密がある」と見出しを打ち、「カタールW杯で守備の要を担ったキム・ミンジェが日本サッカーがうらやましいと明かした。『韓国サッカーの未来』と呼ばれる人物が、永遠のライバルである日本をうらやましいと発言して反響を呼んだ。これにより、日本代表の競争力と日本政府のスポーツ政策に注目が集まっている」とレポートしている。

　記事では、日本が新たなスポーツ文化の確立を目指す「スポーツ立国戦略」や、文部科学大臣が定めるスポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための重要な指針「スポーツ基本計画」を2011年から推し進めていることなどに言及。「日本は国家戦略レベルで強化を推進してきたが、韓国は政権が変わるたびにスポーツ政策が変更されてきた。韓国は生活スポーツと専門スポーツを紐づける力も弱い」と指摘している。

　また、国家調査官は、「生活スポーツを専門スポーツとより効果的に連携できる具体的かつ戦略的な案を講じ、スポーツの底辺拡大を図るとともに、専門スポーツを伸ばすことができる好循環システムを確立しなければならない」とアドバイスしているという。

　カタールW杯では同じベスト16という結果だった日本と韓国。次回大会までの4年間、どのようなアプローチをしていくのか、注目が集まる。