【W杯】多くの“番狂わせ”はなぜ起きた? アジア&アフリカ勢躍進の背景を海外考察「サッカー界の重心が…」
欧州でプレーする選手の増加、育成強化など多くの要因を挙げる
カタール・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメントには、アジアから日本代表、韓国代表、オーストラリア代表の3か国、アフリカからモロッコ代表、セネガル代表の2か国が進出。ほとんどがベスト16で姿を消したが、モロッコはアフリカ勢初のベスト4という功績を残した。
米メディア「OZY」では、「アジアやアフリカ勢の活躍の劇的な変化の背景」を考察。今大会、各チームが起こした番狂わせを振り返り「FIFAランキングはほとんど意味をなさなくなった」と大々的に取り上げている。
グループリーグでは、多くのジャイアントキリングが起きた。モロッコ代表は第2戦で優勝候補のベルギー代表を2-0で撃破し、敗退に追い込んだ。サウジアラビア代表は初戦で“神の子”リオネル・メッシ擁するアルゼンチン代表に2-1で競り勝ち驚きを与えている。
アジアでは韓国がグループリーグ最終節、ポルトガル代表相手に逆転勝利。そして日本は強豪ドイツ代表、スペイン代表を見事破り、E組首位突破を果たした。
同メディアは「2022年大会では、あまりに多くの番狂わせが起きた」とこれら試合の結果を回顧し、「アジアやアフリカ勢の活躍は、サッカー界の重心が欧州や南米から東洋にシフトしていることを示唆している」と指摘している。
そして「競争の激しいヨーロッパのリーグでプレーしている選手たちに頼っている」と欧州で研鑽する選手の増加を取り上げ、例として「日本代表には19人の海外組が含まれている。(W杯出場の欧州勢は)クラブでのチームメイトや対戦相手であり、W杯のような国際舞台で戦うことに、もはや畏敬の念を抱くことはない」と躍進の理由について考察を展開した。
また、これらの国々は同様に、自国リーグの育成に力を入れているとレポートし「日本のトップリーグであるJ1リーグには、現在97人の外国人選手が所属。近年、日本のトップクラブは、欧州のように11〜12歳の若いうちから才能ある選手を発掘し、ユースプログラムを通じて育成するようになった」とJリーグの変化にも触れている。
記事では最後に日本を含め、これまでサッカー界であまり日の目を浴びてこなかったアジアやアフリカ勢が「経済的な影響力の増大、選手の質の向上、次世代へのパイプラインとなる国内クラブ組織の強化、そしてインスピレーションとなるワールドカップでの躍進など、強力なカクテルが揃い始めている」とさまざまな要素で成長を遂げていると報じ、「今大会の決勝で誰が勝とうとも、サッカーの未来はますます明白になっている。そして、それはアフリカとアジアにあるのだ」と締め括っていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)