閉塞感漂う日本代表で“手倉森効果”を実感する浅野 恩師との再タッグに「チームの雰囲気が変わった」
恩師の後押しを受けてW予選2戦連発なるか
今回の連戦で負ければ解任危機が叫ばれているバビド・ハリルホジッチ監督は、代表発表会見などでピリピリとしたムードを垣間見せている。それだけに指揮官と選手、チームスタッフ全員をつなぐ役割を果たすタイプの人材が必要とされていた。トレーニングから試合後の会見までギャグを飛ばすなど、自ら率先してムードを盛り上げる手倉森コーチにとっては、打ってつけの役割とも言える。
もちろん、リオ五輪アジア最終予選、そして8月の五輪本戦をともに戦った浅野やDF植田直通(鹿島)、MF大島僚太(川崎)らリオ世代の選手にとっても心強い存在であることは間違いない。
「僕も五輪の時に頼りにしていた指揮官なので、ここにいてくれるっていうのは、頼りになる人がまた一人増えた、安心感が増した感覚があります。(大島や植田らの)僕らの世代にとっては全然(気分が)違うんじゃないかなと思います」
リオ世代は五輪最終予選前、本戦出場すら危ういとも囁かれたが、前評判を吹き飛ばすかのような躍動ぶりでアジア王者に輝いた。その成功体験があるだけに、浅野もポジティブな気持ちを持って決戦に臨もうとしている。「まずは僕自身、出場したら相手の背後を狙いたい」と、タイ戦に続く2戦連発に意欲を燃やしている。
最終予選初戦のUAE戦で逆転負けを喫し、続くタイ戦でも圧倒的に試合を支配しながらも消化不良の内容に終わり、日本代表に向けられる視線は以前よりも厳しいものとなっている。その閉塞感を吹き飛ばす役割を――手倉森コーチ、そしてその申し子である浅野らが担って先導役となれば、チームは再び活気を帯びるはずだ。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images