【W杯】「子供にクラブを見つけるのも一苦労」 クロアチアはなぜ強い? 母国記者が明かす、人口わずか380万人でもタレント輩出の訳
「我々はレアル・マドリードと似ていると話しているんだ」
前回大会では2度のPK戦と延長戦に、すべて勝ち、決勝に進出。今大会でもラウンド16と、準々決勝はPK戦を制している。精神面での強さについて聞くと、「私たちも『メンタルジャイアント』と呼んでいるんだ」と胸を張った。
「4年前のロシア大会でも、難しい試合が多かった。準決勝のイングランド代表戦は、前半を終えて0-1とリードされていた。でも『問題ない』と後半を戦い、勝利した。我々はレアル・マドリードと似ていると話しているんだ。レアルもUEFAチャンピオンズリーグを優勝した時、最高の状態ではなかった。マンチェスター・シティやリバプールに負けてもおかしくなかった。でも、彼らは勝った。そのメンタリティーを、ルカ・モドリッチがチームに加えてくれているんだと思う。今大会でも、延長戦でネイマールにゴールを決められた。それでも『よし、じゃあ今度は俺たちの番だ』とやり返して追い付き、PKで勝った」
そのPK戦の強さについては「理由は分からない」と、首を振ったが、「おそらくメンタル面の強さと、あとは良いGKがいることだね」と言って、自分の着ているシャツを見せてくれた。着ていたのは、前回大会の正GKだったネヴェン・スポティッチが2018年のセネガル戦で着用したというユニフォームだった。彼の周りにいたクロアチア人記者は、全員がユニフォームを着ていたが、なんとすべて選手からもらった実使用ものだった。
「彼はロシアでのヒーローだった。そして今大会でゴールを守っている(ドミニク・)リヴァコヴィッチは、特にPK戦に強い。クラブチームでは、常にPKの練習に取り組んでいるし、その成果が出ているね」
今大会の代表チームへの印象について尋ねると「これだけ自信に満ちたチームは、見たことがないよ。自信の塊だ」とイヴァノヴィッチ記者は言い、改めて母国のイレブンへの信頼を口にしていた。
(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)