日本代表が“PK強化”に早くも着手 W杯敗退で反町技術委員長「運に任せるねではいけない」

反町康治技術委員長【写真:徳原隆元(FOOTBALL ZONE特派)】
反町康治技術委員長【写真:徳原隆元(FOOTBALL ZONE特派)】

試合結果に関係なく、終了後にPK戦を行う取り組みを明かす

 日本代表がカタール・ワールドカップ(W杯)での戦いを終えたことで、日本サッカー協会の技術委員会の会議が12月12日に行われ、反町康治技術委員長がブリーフィングを行った。

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 ベスト8進出を目標に掲げた森保ジャパンだったが、決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表にPK戦の末に敗れて、あと一歩で目標を達成できず。2010年南アフリカW杯に続くPK戦でのベスト16敗退。PK戦に課題があるのではないかと感じさせるものとなった。「過去4大会でベスト16に行っていますが、そのうちの2つが残念ながらPK戦で敗退した。『PK戦だから、運に任せるね』ではいけないと考えている」と、反町康治技術委員長は語り、早くもこの課題克服に動きだしたことを明かした。

「U-16日本代表が、南米のパラグアイに行き、コロンビア、チリ、パラグアイという南米の3チームと地球の裏側で試合をやります。その試合が終わってから、結果を問わずにPK戦をやってくれという話をしている。これが最終的にどうなるか分かりませんが、何かしら違う国のチームとやることで『久々のPK戦』ということにならないようにする。または、駆け引きとかいろいろある。GKのサイズも違う。そういうことを親善試合とかでも、我々としては今後、許される限り取り組んでいきたいと考えている」

「そもそも、何で彼らが南米まで行っているかを考えると、最終予選で勝ち上がるため。本大会に出るため。南米では、例えば芝生の状況によってPKで足を滑らせることだってある。それもやっぱり初めてということにならないように、準備をしていく。サッカーにおいて逆算をして準備することの大切さは、皆さんも知っての通りだと思う。そういうことで勝負強さを身に着けていく」

 今回、日本が敗れたクロアチアは、4年前のロシア大会でも決勝トーナメントに入ってから2度のPK戦と延長戦を制して、決勝まで勝ち上がっていた。反町技術委員長は「彼らにとってPK戦は目新しくない。日本代表には今、海外組が多いから一概には言えないが、日本でも天皇杯はあるものの、ルヴァン杯もホーム&アウェーゲームになって、PK戦をやる可能性はそんなに高くない。でも、それも勝負の一つ。それを『運だ』で終えるわけにはいかない。地道にやっていこうと思う。Jリーグのシステムを変えることはできないが、代表活動でも積極的に推奨してやっていく」と、今後の活動で他国とのPK戦の機会を増やしていく考えを明かした。

 90分の試合が終わった後に、PK戦を行うことは、実は真新しいことではないという。U-19日本代表の遠征時、試合に1-2で負けたあと、フランス側から「PK戦をやってほしい」という提案があり、実際にPK戦を行っていると反町技術委員長は言う。

「内輪で同じようにPK戦をシミュレーションでやるのと、それでは雰囲気や緊張感が違う。そういうことも我々から率先してやることが大事かなという認識を持っています」

 今大会では日本だけでなく、オランダやブラジルもPK戦で大会を後にした。各国が様々な取り組みをしているなかで、日本も出てきた課題に対して、将来の勝利につなげるために新たな取り組みを開始する。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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