「中村俊輔さんみたいなFKが蹴りたくて」 J1王者守護神の“足元”を支えるGKのルーツ
「僕の名前は“キーパー”ではない」
――高丘選手のように小さい頃からGKをずっとやってきている選手がいる一方で、GKはあまり子供たちに人気がないという話はよく耳にします。こうした現状についてはどう思われますか?
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「家の近所で少年サッカーの試合を見ることがありますが、その時に監督やコーチが『キーパー声出せ』とか『キーパー出てこい』って言うのを聞いて寂しさを感じることがあります。ちゃんとその子の名前を呼んであげてほしいなって。僕も経験があるんですけど、僕の名前は“キーパー”ではないですから。例えば、その子がユウタくんなら『ユウタ、出ろ』って声をかけてあげるべきですよね。FWの子に対して『FWシュート打て』って言わないと思うんです。ちょっとしたことかもしれないですけど、そういうところでGKへの理解やリスペクトが得られてないのかなとは感じています」
――指導者側に、GKについて教えられる人が少ないという問題もありますよね。
「ほかのポジションと比べると、GKを経験したことのある人は圧倒的に少ないですからね。少年サッカーのところまで広げていくのは難しいとは思いますが、GKに対する捉え方が少しずつでも変われば日本でもGKが花形のポジションになっていくんじゃないかと思います」
――攻撃の選手に比べると、メディアでの露出が少ないのも影響が大きそうです。
「そうですね。世界的にはGKの個人賞、ヤシン・トロフィーというのがあります。今年はティボー・クルトワ(レアル・マドリード)が受賞しましたけど、そういうベストゴールキーパー賞みたいなものが日本にもあったらいいなと思います。GKの難しさや苦しさを乗り越えた時の喜びは、やっぱり経験のある選手にしかわからないところがあるので難しいかもしれないですけど、それでもサッカーにおいてGKが試合を決定づけるポジションであることは間違いない。もっと評価されていいポジションだと思います」