【W杯】王者フランス、堅守モロッコ、メッシ牽引アルゼンチン、粘りのクロアチア…個性的な4強をチェック
クロアチアは消耗が激しい点をどう克服するか
■クロアチア
グループF 2位通過
対モロッコ 0-0
対カナダ 4-1
対ベルギー 0-0
決勝トーナメント1回戦
対日本 1-1(PK3-1)
準々決勝
対ブラジル 1-1(PK4-2)
6得点、3失点
前回ロシアW杯で準優勝のクロアチアは、勝ち上がりの足跡を見ても粘り強さを存分に発揮している。記録上は1勝4分という成績であり、日本代表と対戦した決勝トーナメント1回戦、ブラジル代表と対戦した準々決勝はともに、先制された試合を追いついてPK戦にまで持ち込んで勝利している。前回ロシアW杯でも3回の延長戦で2回のPK勝ちをしているため、PKの4戦全勝はドイツ代表(西ドイツ時代を含む)と並んで、勝率100%の国では最多タイの勝利数。GKドミニク・リバコビッチのPK戦で4本セーブも、W杯の最多タイ記録となっている。
こうしたPK戦や延長戦の強さがクローズアップされがちだが、裏を返せばカナダ代表戦を含め5試合で一度も先制ゴールを決めていない。常に追いかける展開でパワーを使いながら生き残ってきた疲労との戦いも見逃せない要素になるかもしれない。一方で、日本と優勝候補の筆頭とも呼ばれたブラジルとの試合が同じようなPK戦になるところからも、相手なりに力を出すタイプの試合巧者とも言える。それがアルゼンチン戦でどのように出るかが見どころだ。
■モロッコ
グループF 1位通過
対クロアチア 0-0
対ベルギー 2-0
対カナダ 2-1
決勝トーナメント1回戦
対スペイン 0-0(PK3-0)
準々決勝
対ポルトガル 1-0
5得点、1失点
5試合で失点はグループリーグのカナダ戦での1点のみと、今大会の決勝トーナメント進出チームの中では最少失点。アフリカ勢として史上初の4強入りとなった原動力がここにあると言えるだろう。ジブラルタル海峡を挟んで対岸のイベリア半島の強豪に対しても、GKヤシン・ブヌの好セーブが目立ったスペイン代表とのPK戦に、センターバックのDFソフィアン・アムラバトの鮮烈なパフォーマンスが印象深いポルトガル代表戦と、堅い守備から鋭いカウンターを繰り出すスタイルで勝ち上がってきた。
また、北アフリカのアラブ圏の国家だけに、開催国カタールに在住している国民も多いとのことで毎試合がホームスタジアムのような大声援に包まれている。4強に残ったチームで最多得点のフランスと、声援をバックに堅牢な守備を誇るモロッコの対決がどのような結果になるか楽しみなところだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)