昨季までレアルで同僚だった2人の絆が表れた瞬間が話題

　カタール・ワールドカップ（W杯）の準々決勝でクロアチア代表とブラジル代表が激突。延長戦を経て、PK戦の末にクロアチアが勝利した。ピッチの中央では昨季までスペイン1部レアル・マドリードで同僚だったクロアチアのMFルカ・モドリッチとブラジルのMFカゼミーロの盟友同士の激しいマッチアップが繰り広げられ、ハーフタイムにユニフォームを交換した2人の絆に海外メディアが熱視線を送っている。

　ともに代表チームの中核を担うモドリッチとカゼミーロ。カゼミーロが今夏にイングランド1部マンチェスター・ユナイテッドへ移籍したことで別々のクラブに所属することになったが、2人は昨シーズンまでレアルの中盤でMFトニ・クロースも含めたトリデンテとして活躍。UEFAチャンピオンズリーグ（CL）やラ・リーガなど多くのタイトルを獲得した。

　そんな2人がW杯の準々決勝という大舞台で、異なるユニフォームを身に纏ってプレー。ピッチの中央で再三マッチアップしたなか、2人がハーフタイムの時点でユニフォームを交換したことも注目を集めた。米スポーツ専門局「ESPN」公式ツイッターがシャツを交換したツーショットをアップすると、ファンからは「偉大なレジェンドたち」「長年一緒にフットボールを支配していた2人」「過去10年で最高の中盤」と称賛のコメントが寄せられた。

　さらに1-1でもつれ込んだPK戦でも2人の関係性がよく表れたシーンがあった。ブラジルの2人目として登場してキックを成功させたカゼミーロは、クロアチアの3人目を務めるモドリッチに笑みを浮かべながらボールを手渡した。緊張感のある試合の中で敵同士としてそこにいたはずだが、2人の間にある絆に変わりはなかったようだ。

　英紙「ガーディアン」はW杯で実現したモドリッチとカゼミーロの邂逅について、「彼らはいつもそうしていたように、ピッチの上でお互いを探し続けていた。まるで元恋人をフェイスブックで追い続けるかのようだった」「ルカ・モドリッチとカゼミーロが1人でいることはほとんどなかった。クロアチアとブラジルの2時間以上の戦いの中で2人は常に一緒にいた。運命は分かれたはずなのに再び結び付いた」などと綴っている。

　残念ながら最後は勝者と敗者に分かれなければならなかったが、モドリッチとカゼミーロの関係性が色褪せることはなさそうだ。