森保監督の濃密な4年半 何を成し遂げ、何ができなかったのか…一番の問題点だったのは?

森保監督の続投時に改善してほしい2つのこと

 それでも、森保監督の引き出しの中がすべて空っぽということではないだろう。留任するにしても一度チームを離れるにしても、もう一度日本代表を率いるチャンスを得るには十分な財産を持っている。

 ただし、もう一度日本代表監督に就任するのなら、改善してほしいことが2点ある。

 1点目は、SNS上の監督への誹謗中傷に対して日本サッカー協会がなんらかの手を打つこと。日本代表監督だけに限らないが、限度を超える投稿については断固とした措置をとってほしいし、多くは監督発言の一部の切り取りから誤解を生じているだけなので、分かりやすい説明を加えてほしい。

 2点目は、森保監督のトーク力。いつもとても丁寧に答えてくれるのはありがたい限りだが、その長さ故に伝わりにくくなっていることがある。この発信力が上がればもっとカリスマ性が増すと思うのだ。

 W杯メンバー発表会見で「行雲流水」という言葉を使ったように、今後の回答はすべて4文字熟語。もっと長く話したければ五言律詩か七言絶句。もっともそうなると、国内よりも海外で高く評価されている現状に、さらに磨きがかかってしまうかもしれないが。

森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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