J1王者に絶対的守護神あり 高丘陽平が数ミリの世界で掴んだ「今までにない感覚」

インタビューに応じるGK高丘陽平【写真:(C) Y.F.M】
インタビューに応じるGK高丘陽平【写真:(C) Y.F.M】

日本代表FW町野との1対1で掴んだ成長の手応え

――今シーズン、特に印象に残っている自身のプレーはありましたか?

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「アウェーの湘南戦(J1第13節)でFW町野修斗選手のシュートを止めたシーンは、今までにない感覚を掴めたと思っています。後半、3-0のシチュエーションで町野選手と1対1になり、シュートを指先で触ってセーブしました。僕から見て左上、コースはかなり良かったと思うんですけど、しっかりと反応することができた。あれは今までだったら止められなかったようなシュートだなと印象に残っています」

――指先で触れられるかどうかというと本当に数センチ、数ミリ単位の世界ですね。そういった細かい部分を普段の練習から意識しているということですか?

「そうですね。常に課題があるなかで、昨日よりも今日、今日よりも明日良くなるためにという思いで練習や試合に臨んでいます。今まではキャッチできずに弾いていたボールを、キャッチできるようになるなど、自分だけにしか分からない小さな喜びを感じながらやっているんです。もちろん悔しい思いをすることのほうが圧倒的に多いですけど、1日に1つか2つでもできるようなったと感じられれば幸せです」

――今年はそういった喜びをたくさん感じられるシーズンになりましたか?

「個人として良くなってきている感覚はありました。でも、もっともっと良くしていけるところはあります。これに関してはゴールがないといいますか、やっぱり完璧はない。それを自覚しつつ、でも目指さないことには完璧に近づくことはできないという難しさはありますが、常に物差しは自分の中にあって、自分がどういうGKになりたいかということを常に自問自答しています」

(#2へ続く)

[プロフィール]
高丘陽平(たかおか・ようへい)/1996年3月16日生まれ、神奈川県出身。横浜FCユース―横浜FC―鳥栖―横浜FM。J1通算111試合0得点、J2通算41試合0得点、J3通算4試合0得点。得意のロングキックだけでなく、勇敢な飛び出し、スペースのケア、ハイボールの処理と総合力の高い現代型GK。2022年はチーム唯一となるリーグ戦全試合出場でリーグ最少タイ失点のハイパフォーマンスを披露し、自身初のJリーグベストイレブンに輝いた。

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