【W杯】現地で実感する祭典の経済効果 観光客と報道陣が夜な夜な押し寄せる“カタール最大の市”
【カメラマンの目】政府主導でリノベーションされた市場を散策
カタール最大の市であるスークワキーフは、かつてはタクシーなどで行くしか方法がなかったが、現在はその名の通りの地下鉄駅が開通し、観光客も気軽に足を運ぶことができるようになっている。2006年~08年にかけて政府主導でリノベーションされたようで、ワールドカップ(W杯)を機にさらに観光地化が進んだようだ。
石造りの建物が迷路のよう張り巡らされ、アラビアングッズをはじめさまざまな店が並ぶ。売られているものは地元の人の生活に根付いた日用品やスパイスに雑貨。ペットの小鳥を扱う店がいくつも商いしていたが。これも地元の人用だろう。観光客用には装飾品、手工芸品がところ狭しと売られている。それにFIFAのオフィシャルショップでは手に入らないようなユニフォームやシャツに帽子などのサッカーグッズを扱う店もあった。
洒落たレストランもズラリと並び、W杯用に置かれたのだろうラクダのコブがサッカーボールになっているオブジェも観光客を迎えている。
このスークワキーフに足を運んだのはラウンド16が終了した翌日の試合のない12月7日の午後。到着したときもまずまずの観光客がいたが、網の目のように張り巡らされた建物の片隅には人気のないところもあった。
しかし、夜になるにつれて多くの観光客が押し寄せ、それを取材しようとする報道陣もかなり見かけるようになる。夕食時にはどこのレストランも人であふれ、これがW杯の経済効果というものなのかと実感した。
最後にアートギャラリーのスペースが目に留まったのでなかに入ってみることにした。アラビア音楽の生演奏が行われていて、現代アートなどが飾られたブースがいくつかあった。そのなかのひとつに、サッカー選手の顔が描かれたスペースがあり日本人選手の絵も飾られていた。みなさんはそれが誰だか分かっただろうか。
FOOTBALL ZONE特派・徳原隆元 / Takamoto Tokuhara
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。