【W杯】“三笘の1ミリ”で再認識したVARの意義「正しく認められたシーンの代表」
判定検証番組「W杯ジャッジリプレイ」で日本対スペインを取り上げる
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ワールドカップ(W杯)ジャッジリプレイ」で、日本代表がスペイン代表と対戦したゲームが取り上げられた。
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この場面は後半6分、MF堂安律がペナルティーエリア内の右サイドから右足でゴール前を横断するボールを供給。ゴールラインを出たか出ないかというギリギリのところからMF三笘薫が折り返し、MF田中碧が詰めた。現場の審判団は三笘が蹴る前にボールがラインを越えたとしてゴールキックを指示したが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が映像で確認したうえでボールはインプレーであると主審に伝え、ゴールが認められた。世界的にもボールが出ていたかどうか話題になったシーンだった。
国際サッカー連盟(FIFA)でも解説動画があったシーンについて、元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「ボールは球状なのでどこから見るかが非常に大事。この大会ではメイン側とバック側のゴールライン上にあるカメラの映像で検証する」と説明した。そして「VARが入ったことで正しく認められたシーンの代表かと思う。止めて、アップにして何ミリというのが分かる」とコメントしている。
ゲスト出演した現役時代に川崎フロンターレなどでプレーした鄭大世氏は「こういうもので泣きを見ることが多かった。テクノロジーが介入してくれることで、今まですごく泣いて、発言すれば審判批判になってしまう苦しさや涙が払しょくされた瞬間だった」と話した。
また、平畠啓史氏は「ゴールラインテクノロジー(GLT)を応用できるのではないか」と提案し、家本氏は「今のGLTはゴールの枠内でカメラのセンサーでやっている。それを拡大的にゴールライン全域、タッチライン全域、オフサイドもセンサーにするというような、このレベルの大会はテニスのようにセンサーにすることが望ましいと個人的には思う」と話した。
ゲスト出演した元日本代表FW佐藤寿人氏は現地で見た印象として「パッと見は出ていないと感じた」とコメント。「人の目で見られないところをテクノロジーで判断されるというのは、これがなければ日本は泣いていたと思う。正しく判断してもらうのは素晴らしいが、余白もあるべきではないか。必ずしも全てテクノロジーを使っての満点回答でなければいけないということはないと思うが、これだけ大きな事象になれば余白は必要ないと思いますが」と、VARなどの存在について話した。
鄭大世氏は三笘の折り返しがゴールの左サイドで副審からも反対サイドだったことで「死角になるから助かる」としたうえで「三笘選手は出ていないと思いたいだろうけど、そこに介入するのがテクノロジー。数字でしっかり出るから、両方の選手が納得できる。それをあいまいにしてしまえば、どちらかの怒りが噴出する。それがドラマという見方もあるけど、やっぱり泣きを見る人がいる。テクノロジーの進化でミリ単位でやることがもっと普及すると思う」と話している。
世界的にも話題になった「三笘の1ミリ」だが、ゴールラインカメラとVARの存在意義を世界に示すものになったとも言えそうだ。