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ハリルが目をつけた秘密兵器「加藤恒平」 ブルガリアで輝きを放つボランチの正体とは?
今季からブルガリア1部でプレーし、EL予選にも出場
「私のアシスタントコーチが昨日帰国しましたが、我々が追跡している選手についてディスカッションするために視察に行ってもらっていました。宮市、そして、皆さんが名前を挙げていないブルガリアの加藤選手も見てきました。今度、また見に行ってもらいます」
9月29日に行われたロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のイラク戦、オーストラリア戦に向けた日本代表メンバー発表会見の席上で、バヒド・ハリルホジッチ監督は未招集選手に関する質問への回答の流れで、加藤恒平の名を口にした。
ハリルホジッチ監督自身が触れたように、その存在は世間に広く知られていない。果たして、ベールに包まれている“日本代表候補ボランチ”とは、どのような選手なのだろうか。
加藤は今季から、ブルガリア1部のPFCベロエ・スタラ・ザゴラに所属している。昨季リーグを3位で終えたことから、今季はUEFAヨーロッパリーグ予選の出場権を獲得。最終的に2回戦で敗れ、本戦出場は叶わなかったが、今年で27歳となった加藤にとっては貴重な一歩となった。
ボランチを主戦場とする加藤は、自身のプレーについて「キックの精度も自信はありますが、その上で自分のベースは守備。走り尽くし、ハードにぶつかり合って、球際にガツンと行くのが持ち味です」と語った。実際にこれまで欧州で渡り歩いた3クラブでは、その精密なキックでFKやCK、センタリングから多くの得点を演出し、また自らゴールも決めてきた。守備面では、自分よりも一回りも二回りも大きい対戦相手にも体を投げ出してボールを奪うなど、フィジカルコンタクトに屈しない球際の強さも磨き続けた。それはどちらも、今の日本代表に決定的に不足している要素だ。
日本から遠く離れた東欧の地で、着々と力をつけてきた加藤という一人の選手を形成した背景には、大学3年時に味わったアルゼンチン留学での苦しい日々があった。