元モロッコ代表監督ハリルホジッチ氏、「日本でも同じことをしていた」という分析の哲学は?

ハリルホジッチは大会前にモロッコ代表監督を解任【写真:Getty Images】
ハリルホジッチは大会前にモロッコ代表監督を解任【写真:Getty Images】

カタールW杯でベスト8のモロッコ代表を率いていたが、大会前に無念の解任

 元日本代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏は、モロッコ代表をカタール・ワールドカップ(W杯)出場に導いたが、大会前に解任されて指揮は執れなかった。2019年夏にモロッコ代表監督に就任後、少なくとも1000試合以上を分析して選手を発掘するなど、日本でも行っていたアプローチを明かしている。クロアチアのポータルサイト「Net.hr」が伝えた。

 2015年から18年まで日本代表を指揮したハリルホジッチ氏。W杯アジア予選を勝ち抜き、サムライブルーをロシアW杯出場へと導いたが、本大会直前に解任されて本大会で指揮を執ることはできなかった。

 その後、フランス1部ナントを経て、19年8月にモロッコ代表の監督に就任。2022年3月の最終予選でコンゴ民主共和国代表を下し、カタールW杯出場を決め、コートジボワール、アルジェリア、日本に続き、異なる4か国で4大会連続のW杯出場権を獲得していた。

 しかし、ハリルホジッチ氏は一部主力選手をチームから追放したことなどを理由にモロッコサッカー連盟との対立が伝えられ、最終的に8月11日に退任する形になっていた。

 そのモロッコは、現地時間12月6日に行われたカタールW杯決勝トーナメント1回戦でスペイン代表をPK戦の末に下すアップセット(番狂わせ)を演じ、同国史上初となるベスト8進出を果たした。その基盤を築いたと言っていいハリルホジッチ氏は、「その国に行ったら、いい選手をすべて知っているわけではない。そういう選手を探す必要がある。モロッコで見た試合数は少なくとも1000試合。チームの80%を入れ替えた。私はW杯で代表チームと何かを成し遂げられると感じていた」と語った。

 独自のアプローチやこだわりは、日本代表監督時代にも垣間見られていたが、「私は日本でも同じことをしていた。常に適応していくし、すべての試合は戦いだ。今では、すべての選手が対戦相手の映像を持ち、長所と短所を分析する。アドバンテージを得るために、詳細を掘り下げる。私がそうしていなかったら、私はバヒド(自分)ではなかっただろう」

 良くも悪くも、ハリルホジッチ氏は監督として心の通った指揮官であり、結果を残してきたのも間違いないだろう。

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