【W杯】森保ジャパン全26人査定、守備陣&監督編 日本代表OBが「世界的にもっと評価されていい」と称えたのは?
バックアップ役で明暗 谷口は殊勲の6.5、伊藤は不完全燃焼の4.5
<DF>
■谷口彰悟(川崎フロンターレ) 6.5点
ドイツ戦(〇2-1):出場なし
コスタリカ戦(●0-1):出場なし
スペイン戦(2-1):フル出場
クロアチア戦(●1-1/1PK3):フル出場
今大会通算:2試合0得点0アシスト
「9月シリーズのエクアドル戦でPKを献上(GKシュミット・ダニエルがストップして無失点)して、少し自信がないようにプレーをしているように感じました。でも、3バック採用に伴って先発に抜擢されたスペイン戦では堂々としていましたよね。バックアップから、いきなり試合に出て結果を出すのはプレッシャーがあるものですけど、それを微塵も感じさせなかった。素晴らしいパフォーマンスでした。その谷口が、吉田や冨安、板倉に続く4番手。彼がいたからこそ、日本のディフェンスラインは安定していたと思います」
■山根視来(川崎フロンターレ) 5.0点
ドイツ戦(〇2-1):出場なし
コスタリカ戦(●0-1):先発出場・後半17分までプレー
スペイン戦(2-1):出場なし
クロアチア戦(●1-1/1PK3):出場なし
今大会通算:1試合0得点0アシスト
「酒井の代役としてプレーしたコスタリカ戦で62分間のプレーにとどまり、その後チームも3バックにシステムを変えました。W杯直前のカナダ戦で決勝PKを献上して、不安を抱えたまま入った大会だったので、周囲の見る目も厳しくなるのは致し方ないところがあります。酒井に匹敵するようなパフォーマンスをしていれば、また違った結果になったかもしれない。山根の良さは出し切れずに終わってしまったのは残念です」
■板倉 滉(ボルシアMG) 6.0点
ドイツ戦(〇2-1):フル出場
コスタリカ戦(●0-1):フル出場
スペイン戦(2-1):フル出場
クロアチア戦(●1-1/1PK3):ベンチ外
今大会通算:3試合0得点0アシスト
「谷口のパフォーマンスが良く、冨安が間に合ったこともあって大きな痛手にはならなかったですけど、クロアチア戦の累積警告による出場停止はもったいなかった。9月に左膝内側靭帯を部分断裂して、W杯出場も危ぶまれたなかで、よくここまでやってくれたというのが一番の感想です。世界的にも、もっと評価されていい選手だと思います」
■冨安健洋(アーセナル) 6.0点
ドイツ戦(〇2-1):後半開始から途中出場
コスタリカ戦(●0-1):出場なし
スペイン戦(2-1):後半23分から途中出場
クロアチア戦(●1-1/1PK3):フル出場
今大会通算:3試合0得点0アシスト
「冨安への期待値は、守備陣では一番というくらい高いです。だからこそ、コンディションに不安を抱えることは、マイナス査定になってしまう。それでも、右ウイングバックでの起用に応えたスペイン戦は、さすがだなと思いました。冨安が絶好調だったら、もっと面白い大会になっていたと思うと、残念なところはありますが、最低限の仕事はこなしたと思います」
■伊藤洋輝(シュツットガルト) 4.5点
ドイツ戦(〇2-1):出場なし
コスタリカ戦(●0-1):後半開始から途中出場
スペイン戦(2-1):出場なし
クロアチア戦(●1-1/1PK3):出場なし
今大会通算:1試合0得点0アシスト
「コスタリカ戦の出来が良くなかったからこそ、スペイン戦で谷口を使うという決断に至ったと思います。3バックの一角、4バックの左サイドバック、センターバックと整理しきれない部分があったかもしれませんが、どうしても消極的なプレーが印象に残ってしまいました。大事な試合で不完全燃焼に終わり、評価もガクっと落ちてしまった気がします」
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。