森保ジャパン、データ上グループリーグ3戦全敗でもおかしくないW杯での勝ち上がり方

過去3大会では、初戦に勝利した30チームがベスト16に進出

 キリンカップ決勝で大敗した相手のチュニジアは、過去のW杯でグループリーグを突破したことがなく、今年に入って3点以上を奪ったのは日本以外にモーリタニアと赤道ギニアの4-0の2試合。9月にはブラジルに1-5と大敗を喫している。

 つまり、3戦全敗でもおかしくない戦いが待っているということだ。だがその中で勝ち抜いていかなければならない。そこで、過去の大会でしぶとくグループリーグ突破を決めた例を見てみよう。

 2018年のロシアW杯でベスト16進出を決めたチームのうち、初戦で勝利を収めたのは10チーム、引き分けが5チーム、敗戦が1チーム(初戦で日本に敗れたコロンビア)。2014年は初戦の勝利が12チーム、引き分けが1チーム、敗戦は3チーム。2010年は勝利8チーム、引き分け7チーム、負けが1チーム(優勝したスペイン)となっている。

 過去3大会では、初戦に勝利した30チーム、引き分けた13チーム、敗戦した5チームがベスト16に進出することができた。

 ドイツに勝てばベスト16進出には大きな道が開かれる。だが彼我の差を考えると、当然そうではない結果も考えておかなければいけないだろう。

 それでは過去3大会で、初戦に勝利できなかったけれどもグループリーグを突破した国は残りの2試合でどんな成績だったか。

【初戦に引き分けた場合】
2勝:2チーム
1勝1分:7チーム
1勝1敗:4チーム

【初戦に負けた場合】
2勝:3チーム
1勝1分:2チーム
1勝1敗:0チーム

 こうして考えると、最も多いのは1勝2分でグループリーグを突破したチームが多いということだ。これは、現在のFIFAランクで24位の日本が、11位のドイツに引き分け、31位のコスタリカに勝利し、7位のスペインに引き分けるとベスト16が見えてくるということではないだろうか。

 何かグループリーグ突破が見えてきた。いやいや、さっきまで3連敗もあり得るとか言っておきながら、いつの間にか方向転換してしまった。というか逆走している。やはりこの時期は期待が高まってしまうってものなのだ。どうせならついでにベスト16でベルギーと対戦する夢まで見たいものだ。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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