【W杯】日本選手の明暗…「交代してほしくなかった」「不完全燃焼」の評価は? 金田喜稔がクロアチア戦出場の全16人を採点
攻守両面で利いていた遠藤、堂安の「キープ力は突出」と高評価
<MF>
■守田英正(スポルティング)=★★★☆☆(3つ星)
→延長後半0分OUT
簡単にボールをロストするシーンもあり、やや安定感に欠けた。時間が経つにつれて慣れてきたのか徐々に安定したが、それでも良さを十分に発揮し切れたとは言い難い。攻撃にアクセントを加えたかったが、そこが最後まで今ひとつだった。
■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★☆(4つ星)
素晴らしいパフォーマンスだった。大事なところでボールを奪う力が際立った。ボールを散らしつつ、簡単にボールロストもしない。隙があれば敵陣でも持ち上がるなど、攻守両面で利いていた。
■長友佑都(FC東京)=★★★☆☆(3つ星)
→後半19分OUT
可もなく不可もなくだが、自身の役割をしっかり全うした。三笘につなぐリレーを今大会は課せられ、守備で身体を張りつつ能力を発揮。欲を言えば、鎌田とのコンビネーションなどで崩す場面がもっとほしかったが、いい守備に重点を置いていたので難しかったか。
■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★☆(4つ星)
右サイドでアップダウンを繰り返し、守備面でも身体を貼っていた。あれだけ突破してクロスを上げ、さらに守備でも100%を求めるのは酷だが、そのなかでよく奮闘していた。失点時は難しい対応を迫られたが、あそこで良さを発揮するタイプではないので致し方ない。
■鎌田大地(フランクフルト)=★★★☆☆(3つ星)
→後半30分OUT
素晴らしい切り返しからビッグチャンスを迎えたが枠外に外した。決めろとは言わないが、あの場面ではせめて枠内に飛ばしてほしかった。今大会では鎌田の良さが十分に出せなかったものの、あと一歩でゴールというあのチャンスを見ると最後まで残して置いたほうが怖かったのではないかと感じた。
■堂安 律(フライブルク)=★★★★☆(4つ星)
→後半42分OUT
攻守において気迫みなぎるプレーを披露していた。キープ力は突出しているし、このレベルでも簡単にボールを失わない強さがある。タメを作れるなか、できればコンビネーションでもっと崩す場面を作りたかったが、いれば何かする雰囲気が漂っていた。できれば交代してほしくなかった。
<FW>
■前田大然(セルティック)=★★★★☆(4つ星)
→後半19分OUT
ボールが収まらないのは依然として同じだが、相変わらずのスプリント力で奮闘していた。前線からのプレッシングを交代するまで遂行し、しっかり点を決めた点は評価に値する。前線で汗をかいた選手がゴールを決めたなかで一気に盛り上がった。勝利のシナリオができていたはずだったが…。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。