【W杯】ベスト16敗退の森保ジャパン、今大会の「良かった選手」「悪かった選手」を日本代表OBが独自選定
【専門家の目|栗原勇蔵】三笘は「日本の切り札」だったが、今後は連係強化も必要
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は、現地時間12月5日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表(同12位)と対戦し、120分間で1-1のまま決着が付かず、PK戦に突入してPKスコア1-3で敗れた。目標とする初のベスト8にあと一歩手が届かず、またもベスト16で敗退となったなか、元日本代表DF栗原勇蔵氏が今大会計4試合を踏まえて、良かった選手・悪かった選手を選出した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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<良かった選手>
■三笘薫(ブライトン/MF)
ドイツ戦(〇2-1):後半12分から途中出場
コスタリカ戦(●0-1):後半17分から途中出場
スペイン戦(2-1):後半開始から途中出場
クロアチア戦(●1-1/1PK3):後半19分から途中出場
今大会通算:4試合0得点1アシスト
「言うまでもなく、三笘は日本の切り札でした。彼の個人技が世界でも通用するのは証明されたし、今大会でトップクラスのキレ味だったと思います。ただ、ベスト8以上を狙っていくうえでは、1人の力だけじゃダメということも裏付けされました。対策されて蓋をされてしまうと、強豪国を打ち破るのは難しいので、やはり2人、3人でのコンビネーションも積み上げて行かないといけないでしょう」
■権田修一(清水エスパルス/GK)
ドイツ戦(〇2-1):フル出場
コスタリカ戦(●0-1):フル出場
スペイン戦(2-1):フル出場
クロアチア戦(●1-1/1PK3):フル出場
今大会通算:4試合4失点
「GKは権田で良かったと思います。直前のテストマッチではクロスへの対応に不安があったりもしましたけど、W杯を通しては安定していたかなと。クロアチア戦のPKは彼を責められない。十分に評価していい大会だったと思います」
■浅野拓磨(ボーフム/FW)
ドイツ戦(〇2-1):後半12分から途中出場/1得点
コスタリカ戦(●0-1):後半開始から途中出場
スペイン戦(2-1):後半17分から途中出場
クロアチア戦(●1-1/1PK3):後半19分から途中出場
今大会通算:4試合1得点0アシスト
「浅野はグループリーグのドイツ戦で決勝ゴールを挙げたあのプレーが印象深いですよね。あまりに大きな仕事すぎて、あれだけでメンバーに選んで良かったと言えると思います。あの得点がなかったらグループリーグ敗退を喫していたかもしれないし、チームを活気づけてくれた。途中出場で前田大然の仕事を引き継ぐ役割もこなしたし、クロアチア戦でのPK戦できっちりと決めたのは浅野だけ。あれもドイツ戦のゴールによって生まれた心の余裕の影響もある気がします。大会前は叩かれることも多かったですが、やることはやったと思います」
■前田大然(セルティック/FW)
ドイツ戦(〇2-1):先発出場・後半12分までプレー
コスタリカ戦(●0-1):出場なし
スペイン戦(2-1):先発出場・後半17分までプレー
クロアチア戦(●1-1/1PK3):先発出場・後半19分までプレー/1得点
今大会通算:3試合1得点0アシスト
「前田のハードワークは、チームのスタイルを象徴していたと思います。その仕事はしっかりとこなしつつ、最後になったクロアチア戦でゴールも奪った。もし目に見える結果が伴わなければ、『FWとして、チェイシングだけでは……』と厳しい目を向けられていたかもしれません。でも、最終的に敗れた試合とはいえ、ゴールも挙げたわけなので、よくやったと評価していいと思います」
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。