監督に最も必要なものは何? オシムが考える理想のチームマネジメントとは

月刊サッカーマガジンZONE創刊にあたり、元日本代表監督イビチャ・オシムにインタビューを行った。実はこの取材の直前には、特別編集長の宮本恒靖からいくつかの質問を託されていた。例えば、「2006年のドイツワールドカップを戦った日本代表はオシムさんの目にどう映っていたのか?」。
 その問いをぶつけると、オシムは当時のチームがまだ世界基準に達していなかったこと、逆に今の日本代表は世界を目指すことのできる水準までに来たことを指摘した上で、「バルセロナとの違いは得点を挙げるかどうかだ」と付け加えた。
  かつて、自身も日本を率いて世界を目指したオシム。当時のチームは不運な出来事により、道半ばで解散せざるを得なかったが、あのチームがどのように成長していくはずだったかを夢想するファンも少なくないだろう。その名将が考えるチーム作りの哲学とは。そして、マネジメントの極意とは。厳かに響く言葉の中に、オシム流の「マネジメント」を探った。
  ──まず、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表のワールドカップ初出場おめでとうございます。喜びもひとしおでしょうね。
  「うれしくないわけがない。豊かな日本と違って、ボスニアにはサッカー以外にあまり良いニュースがないからな。今回は民族の違いを越えて多くの国民が喜んでいる。スポーツの力を過信するつもりはないが、戦争で引き裂かれたこの国がまとまるための、小さな貢献になればと思っている」  

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