【専門家の目｜家本政明】スペイン戦の戦いを総括「日本人として嬉しい」

　森保一監督率いる日本代表は現地時間12月1日、カタール・ワールドカップ（W杯）グループリーグ第3節でスペイン代表と対戦。前半に失点するも、後半に入りハイプレスが機能して2-1の逆転劇を演じた。元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏はこのスペイン戦を総括し、MF三笘薫への印象の変化について語っている。（取材・構成＝FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也）

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　まずは日本の勝利の瞬間を振り返り、家本氏は「日本人として嬉しいです。いい意味で驚きました。言葉にできないです」と、逆転勝利を興奮気味に語った。

「スタッフも含めたチーム全体の勝利ですね。前後半の選手全員の頑張りが目立った試合だったと思います。1点目は伊東（純也）選手、前田（大然）選手のプレスから生まれました。堂安（律）選手のシュートも良かった。2点目も三笘（薫）選手の頑張りから、普段そこにポジション取りしない田中（碧）選手がゴール前に入ってきて決めました。映画とかドラマを見ているようでした」

　チームで勝ち取った勝利のなかで、家本氏の目に留まったのは三笘の存在だったという。「スペイン戦の鬼気迫る三笘選手のプレーには驚きました。球際が激しくて、負けない。『勝つんだ』『負けるか』という気迫を見た気がします」と気合いの入った守備や激しいボール奪取を称賛。「第1戦、第2戦とも違う。普段のリーグ戦でも見ない勢いがありましたね」と、この試合への懸ける思いが表れた試合だと感じたようだ。

「田中選手の決勝ゴールは、三笘選手の最後まで諦めない思いと行動が乗り移った折り返しから生まれたと思います。その思いが、ぎりぎりライン上に乗っかっていたという状況を作り出したのではないでしょうか」

　日本は強豪国ドイツ、スペインが揃うグループリーグで首位突破を果たし、いよいよ初のベスト8進出を懸けて現地時間12月5日にクロアチア代表と対戦する。チーム一丸となって戦う森保ジャパンで、再三のチャンスに絡んでいる三笘のプレーに期待が懸かる。