【W杯】後半に“生き返った”日本、一体何が? スペイン攻略へ突破口が見出せた要因を英記者が考察
ハーフタイムの交代は今大会の森保Jの定石
後半45分に大きな変化をもたらすハーフタイムの交代は森保監督のトレードマークになりつつある。ドイツ戦と同じく、このスペイン戦でも三笘薫と堂安律の投入で流れが日本側に傾いた。そのなかで先制点の条件を整えたのは、最終的に浅野拓磨と交代する前田だった。
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セルティックのFWのプレスがシモンのキックミスを誘発し、そこから伊東純也が頭で堂安へつないだ。フライブルクの男が放った強烈なシュートをシモンは防ぎ切れなかった
2点目はさらに思いも寄らないものだった。鍵になったのは三笘のスピードと絶対に諦めない姿勢。三笘はゴールライン上のごくわずかな差でボールを生かした。田中の至近距離でのフィニッシュはケーキの上の飾りだった。
爽快な勝利だった。コスタリカ戦でおとなしく、無気力なプレーをしたのと同じチームだとは到底思えなかった。このチームがハンドブレーキを解除してプレーする時、それは滅多にないことだが、驚くべき力を発揮する。
予想通りスペインが圧倒的にボールを保持し続けたが、その後は日本の守備を突破することはできなかった。終盤に権田が見せた2つのセーブと吉田のクリアは最悪のプレッシャーを和らげた。
ドーハの亡霊と29年前に森保監督と彼のチームメイトに訪れた悲劇はようやく眠りについたのだ。日本のサムライ・スピリットが勝利し、ワールドカップの夢はまだ続く。この先ではルカ・モドリッチが待っている。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。