ハリル監督、お手上げ状態で不振の欧州組を選出 「彼らを外したら、誰がいるのか」と嘆き節
「クラブで試合に出ていない選手は呼ばない」と宣言してきた指揮官だが…
日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は、29日に開かれた10月6日のイラク戦、11日のオーストラリア戦というワールドカップアジア最終予選のメンバー発表会見で、FW本田圭佑(ACミラン)やMF香川真司(ドルトムント)といった主力が所属クラブで出場機会を失っている現状に対し、「彼らを外したら、誰がいるのか」と苦渋の選出であると語った。
招集した26人の中で15人がヨーロッパでプレーしている。しかし、クラブでレギュラーを獲得していると言える存在は、DF酒井宏樹(マルセイユ)、DF酒井高徳(ハンブルガー)、FW原口元気(ヘルタ)、FW浅野拓磨(シュツットガルト)の4人のみという状況だ。本田、香川という攻撃の二枚看板に加え、MF清武弘嗣(セビージャ)やFW岡崎慎司(レスター)もレギュラー定着には程遠い。
就任以来、「クラブで試合に出ていない選手は呼ばない」と宣言してきたハリル監督だが、この状況には頭を抱えた。なぜなら「まだ海外と日本のフットボールの差が歴然としている。もしJリーグを世界でも素晴らしいリーグだと言えば、フットボールを知らないのかと言われる」と、Jリーグのレベルを捉えているからだ。
「クラブで試合に出ていない」選手たちを今回は招集し、前言を撤回する形となった。その背景には、Jリーグでプレーする選手を勝負の懸かった最終予選で起用できない――。そんなハリル監督の思考がコメントから透けて見える。