【W杯】伊藤洋輝が燃やす“リベンジ精神” 「まだまだ成長できる」…悔しさを反動に批判を覆せるか
コスタリカ戦を振り返り「個人的に物足りないパフォーマンスだったのは自覚している」
ピッチで作った借りは、ピッチでしか返せない。日本代表DF伊藤洋輝(シュツットガルト)は、リベンジの機会に燃えている。
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カタール・ワールドカップ(W杯)グループE第2節のコスタリカ戦の後半からDF長友佑都(FC東京)との交代でピッチに入った伊藤。勝点3を挙げたいが、最悪勝点1でもいいという難しい状況のなかで、バックパスを出すシーンが目立った。伊藤の前には、同17分から日本の最大の武器ともいえるMF三笘薫(ブライトン)が投入されていただけに、0-0の展開のなかで三笘へのパスが出ないことにもどかしさを感じた人も多かったはずだ。
日本が試合終盤に喫した失点シーンにも、伊藤は絡んでおり、試合後には大きな批判を集めることとなった。「個人的に物足りないパフォーマンスだったのは自覚している。このまま終われないというのはあります」とコスタリカ戦を振り返り、次の出場機会へ強い思いを語った。
伊藤は3歳から小学校4年まで、マリオフットサルスクールというフットサルをプレーしていた。このスクールの代表であり、伊藤にもフットサルを教えていたマリオ安光氏は、かつてブラジル1部サントスのフットサルチームでプレーしていた2人の子供を見て、「必ず良い選手になる」とサントスの幹部にサッカーへの転向を進言。その後の2人、FWロビーニョとMFジエゴはサッカーに転向してブラジル代表にも選ばれ、欧州のビッグクラブでも活躍した。ブラジルでも選手を見る目に定評のあるマリオ氏は、以前から「すごい子がおるんよ」と伊藤のことを話していたが、フットサル仕込みのパスの正確さは現在も大きな武器となっている。
コスタリカ戦では、その持ち味のフィードを出せなかった。スペイン戦に向けては「ボールを握られる展開はチームとして予想している。まずは守備から入ることになると思いますが、点を取らないと勝てないので、そこは前面に出していきたい」と意気込む。
コスタリカ戦後、伊藤は多くの批判を浴びた。試合の中日で感じていたことを「悔しさ。悔しさだけですね」と語ったが、それは個人的な批判を受けたことよりも、「シンプルにチームが勝てなかったことがあったので」と、勝点3を得られなかったことが大きかったという。そして、この悔しさをバネにすることを誓った。
「その繰り返しだと思うし、やっぱり先輩、(川島)永嗣さんとか(長友)佑都くんも、(吉田)麻也くんもそう。そうやって悔しい思いをしながらもここまで来た選手たち。そういった選手たちの言葉ももらいながらやっていけたらと思います。批判されているのも分かっているし、まだまだ成長できると思っているので、そこは腐らずじゃないですが、上を目指してしっかりやっていく」
1試合で大きく評価が変わった伊藤。「2試合を終わって、やっぱり結果がすべてだと思うし、まずはトーナメントに行かないことにはここで終わるので、スペイン戦にしっかり勝ってトーナメントに行く。1つずつやっていくことが変わるでしょうし、自信も付いていくと思うので、しっかり準備をしたい」と語った。結果が出れば、批判は一気に称賛へと変わる。自身の真価を示すチャンスが再び訪れるまで、準備を続ける。