【W杯|30日結果まとめ】アルゼンチン、ポーランド、豪州がベスト16入り メキシコは得失点差で無念のグループ敗退
【戦評】すでにグループ突破のフランス、大幅なターンオーバー起用で機能せず…
カタール・ワールドカップ(W杯)は大会11日目を迎え、グループリーグの最終戦が進行。グループCでは最後の最後まで突破チームがどうなるかの手に汗握る展開の末、アルゼンチン代表とポーランド代表が勝ち抜け。グループDはターンオーバー起用のフランス代表がチュニジア代表に不覚を取ったものの首位通過。そして、2連勝のオーストラリア代表はアジアサッカー連盟への転籍後は初となる決勝トーナメント進出を決めた。
■オーストラリア 1-0 デンマーク
グループD第3戦
キックオフ:現地時間11月30日18時(日本時間12月1日0時)
1-0 後半15分 マシュー・レッキー(オーストラリア)
基本的には勝利したチームが突破という状況でスタートした試合は、前半は膠着した試合展開に。そして後半15分にオーストラリアはカウンターからFWマシュー・レッキーが左足のシュートでネットを揺らして貴重な先制点を奪った。デンマークは長身FWアンドレアス・コウネリウスを投入するなどパワープレーも辞さない姿勢だったが、オーストラリアも高さでは互角以上に対抗。このまま勝利して今大会のアジア勢として初の決勝トーナメント進出を勝ち取った。
■チュニジア 1-0 フランス
グループD第3戦
キックオフ:現地時間11月30日18時(日本時間12月1日0時)
1-0 後半13分 ワフビ・ハズリ(チュニジア)
すでに突破を決めていたフランスはターンオーバー起用を敢行し、MFエドゥアルド・カマヴィンガが左サイドバックを務めるなどプレータイム優先が明らか。それもありチームの機能性は低く、突破への望みをかけたチュニジアの勢いが際立った。そして後半13分にチュニジアはセンターサークル付近でボールを奪い取っての速攻でFWワフビ・ハズリが先制点を決めた。フランスは試合終了間際にFWアントワーヌ・グリーズマンがゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で同点ゴールは認められなかった。
■ポーランド 0-2 アルゼンチン
グループC第3戦
キックオフ:現地時間11月30日22時(日本時間12月1日4時)
1-0 後半1分 アレクシス・マック・アリスター(アルゼンチン)
2-0 後半22分 フリアン・アルバレス(アルゼンチン)
勝利が必須のアルゼンチンが攻勢を強めたゲームは前半にPKを獲得するも、FWリオネル・メッシのキックをポーランドのGKヴォイチェフ・シュチェスニーがストップ。それでも後半開始直後に先制したアルゼンチンは追加点も奪って勝勢に持ち込んだ。他会場の経過からスコアを動かさなければ突破できる可能性があったポーランドは2点ビハインドでも守備に軸足を置き、最後は6バックで“逃げ切り”に成功。アルゼンチンが首位通過し、ポーランドは勝ち点4で並んだもののメキシコを得失点差で上回った。
■サウジアラビア 1-2 メキシコ
グループC第3戦
キックオフ:現地時間11月30日22時(日本時間12月1日4時)
1-0 後半2分 エンリ・マルティン(メキシコ)
2-0 後半7分 ルイス・チャベス(メキシコ)
2-1 後半AT5分 サレム・アルドサリ(サウジアラビア)
両者とも突破の可能性を持つなかでのゲームは後半7分までにメキシコが2点をリード。そして、後半半ばに他会場でアルゼンチンが2点差としたが、このままでは最終的にフェアプレーポイントの比較で3位になるメキシコはさらなる攻撃が必要だった。しかし、そこでゴールを奪い切れずいると試合終了間際に失点。サウジアラビアも突破には逆転勝利が必要な状況になっており、残り2点を奪うには時間があまりにも足りなかった。グループCを盛り上げた両者だったが、最終的には共倒れになってしまった。
【グループ順位】厳しいグループで健闘が光ったサウジ、豪州はAFC転籍後初の16強
■グループC
1位 アルゼンチン 勝ち点6(得失点差+3)
2位 ポーランド 勝ち点4(得失点差0)
3位 メキシコ 勝ち点4(得失点差-1)
4位 サウジアラビア 勝ち点3(得失点差-2)
■グループD
1位 フランス 勝ち点6(得失点差+3)
2位 オーストラリア 勝ち点6(得失点差-1)
3位 チュニジア 勝ち点4(得失点差0)
4位 デンマーク 勝ち点1(得失点差-2)
グループCは初戦でサウジアラビアに敗れる衝撃のスタートになったアルゼンチンが復調し、終わってみれば首位通過した。そのサウジアラビアは厳しいグループと目されたなかでも健闘。最終的には最下位敗退となったものの、存在感を十分に発揮する大会だった。ポーランドとメキシコは本当の意味で最後の最後まで突破を争うことになったが、後半半ば過ぎ時点での突破条件となったフェアプレーポイントの差でポーランドが優位に立っていたことが両チーム終盤の試合運びに影響したか。最終的にメキシコは1点に泣いた。
グループDではフランスが2連勝で突破を決めていたことから、優勝まで視野に入れるチームの定石とも言える第3戦のターンオーバー起用。想像以上にチームが機能せず敗戦となったのは誤算かもしれないが、連覇へ向けて順当な首位通過になった。そのフランスに初戦で力の差を見せつけられたオーストラリアは第2戦から奮起。通常の予選の後にアジア第5代表プレーオフ、大陸間プレーオフと多くの試合を重ねて辿り着いた本大会で16年ぶり、アジアサッカー連盟(AFC)に転籍してからは初の決勝トーナメント進出を勝ち取った。
(FOOTBALL ZONE編集部)