【W杯】グリーズマンの“ゴール取り消し”、IFAB規定でオフサイド判定は妥当 チュニジア戦で際どいジャッジ
タルビのヘディングは意図的なプレーと解釈されない
カタール・ワールドカップ(W杯)のフランス代表とチュニジア代表の試合終了間際、難しいオフサイド判定によってフランスの同点ゴールが取り消された。
この場面ではフランスがゴール前に柔らかいクロスを送り、これをフランスのFWランダル・コロ・ムアニとチュニジアのDFモンタサル・タルビが競り合う。下がりながらジャンプしたタルビが何とかヘディングで触ったボールのこぼれ球をフランスのFWアントワーヌ・グリーズマンが押し込んだ。
しかし、ここでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入があり、オンフィールドレビューの末にクロスが入った時点でオフサイドポジションにいたグリーズマンがオフサイドの反則となり、ゴールが取り消された。
論点になるのはタルビのヘディングが「ディフレクション」にあたるのか「意図的なプレー」と解釈されるのか。サッカーのルールを統括する国際サッカー評議会(IFAB)は今夏に、この2つの解釈に対するガイドラインを公開し、国際サッカー連盟(FIFA)や日本サッカー協会(JFA)も資料映像や翻訳資料を作成している。
それによれば、このタルビのヘディングは意図的なプレーと解釈されるための「かろうじてボールに触れたりコントロールできたということではない」という条件を満たさないため、ディフレクションと判断されることになる。そのため、クロスを蹴った時点でオフサイドポジションにいたグリーズマンは、オフサイドということになった。
もしタルビがもっと余裕をもってヘディングをできている状態だと判断されれば、それは意図的なプレーと判断されてグリーズマンのゴールは認められただろう。ルール改正やガイドラインの変更が続く難しいオフサイド判定の際どいものが、この大舞台でも発生していた。
このゴール取り消しにより、試合はチュニジアが1-0で逃げ切ることになった。