【W杯】王者フランス、まさかの不覚 大幅ターンオーバーが裏目に…0-1敗戦でチュニジアに“金星”献上
グループ最下位のチュニジア、グループ突破条件の勝利掴むも…
カタール・ワールドカップ(W杯)は現地時間11月30日にグループステージ最終戦が行われ、前回王者フランス代表はターンオーバー起用の末にチュニジア代表に0-1で敗れる不覚を取った。
2連勝で突破を決めていたフランスは、大敗しない限り1位通過も確定的という状況に大幅なターンオーバー起用を敢行。DFリュカ・エルナンデスが負傷してすでにチームを離脱している事情もあり、エドゥアルド・カマヴィンガを左サイドバックに起用。マッテオ・ゲンドゥージを左ウイングのような位置に置くなど、選手のプレータイムを優先したような起用になった。一方でチュニジアの突破条件は、勝利したうえで他会場の結果次第となっていた。
前半からフランスはなかなかチームが機能せず、チュニジアが前半の立ち上がりにセットプレーからゴールネットを揺らすものの際どいオフサイド判定で取り消される場面を作るなど、チャンスを多く作った。同じアラビア系の国家ということもあり、開催国カタールでは大きな声援を受けるチュニジアは勢いのある試合を展開した。
前半は0-0で終わったものの、後半もフランスが機能せずチュニジアが攻勢に出る流れは変わらず。そして後半13分、センターサークル付近でMFユスフ・フォファナからボールを奪い取ったチュニジアは一気の速攻。そしてFWワフビ・ハズリがドリブルで持ち込むと左足シュートを流し込んで先制した。前回のロシアW杯で2ゴールしたハズリがその王者からゴールを奪った。
ビハインドを背負ったフランスのディディエ・デシャン監督は、FWキリアン・ムバッペやMFアドリエン・ラビオ、FWアントワーヌ・グリーズマン、FWウスマン・デンベレを投入するなど主力もピッチに送り込んだが、最後までチームとしての機能性は上がらず。逆に大きな声援を勇気に力強い戦いを見せたチュニジアは堅守を発揮した。
しかし、後半アディショナルタイム中にもう1試合でオーストラリアがデンマークに1-0で勝利したことでチュニジアは無念の敗退が決定。ベンチの消沈した空気がピッチ内に伝わってしまったのか、試合終了間際にフランスはグリーズマンがゴール前でこぼれ球を蹴り込んだ。
すると、ここからさらに一波乱が起こった。ゴールシーンについてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入があり、オンフィールドレビューが実施。この場面はセットプレーのこぼれ球をグリーズマンが蹴り込んだが、そのキックの瞬間にグリーズマンはオフサイドポジションにいた。相手選手のクリアはフランスの選手との競り合いによる意図しないプレーと判断され、グリーズマンがオフサイドとなった。
この結果、ゴールは取り消されてチュニジアが1-0の勝利。フランスは敗れたものの得失点差により首位通過を果たし、2位にオーストラリアが続く結果になった。