【W杯|この試合この1枚】クロアチア10番モドリッチ、ピッチ中央に君臨する“いぶし銀の味”
攻撃のコンダクター&守備での貢献もパワーアップ
1985年9月9日生まれの37歳MFの風貌は、まるで減量に成功したボクサーのようだ。研ぎ澄まされた鋭い眼光が目を引く。クロアチア代表のエースとして君臨するルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)は再び戻ってきたワールドカップ(W杯)の舞台でもまったく輝きを失っていなかった。
クロアチアはグループリーグ初戦モロッコ代表戦を0-0と引き分けて迎えたカナダ代表の第2戦。試合は開始2分に先制を許す苦しい展開で幕を開けたが徐々にペースを握り、その後4ゴールをマークして次回大会の開催国の1つとなるカナダを一蹴した。モドリッチは得点こそなかったものの、攻撃のコンダクターとして存在感を発揮した。
ただ、この試合では攻撃面はもちろん、守備での貢献がかなり目に留まった。中盤で罠を張り、ボール保持者に対してタイミングよくアプローチし奪取するプレーはまさにいぶし銀。攻撃的な選手という印象が強かったが、ゴール裏から彼のプレーを見ると、現在はより攻守にわたってチームに貢献するスタイルとなっている。
時にカナダの選手に対して強気な姿勢でやり合う場面もあり貫禄も十分だった。クロアチアは派手さこそないが、迫力ある大型の選手とモドリッチの融合によって好チームに仕上がっている。
(FOOTBALL ZONE特派・徳原隆元 / Takamoto Tokuhara)
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FOOTBALL ZONE特派・徳原隆元 / Takamoto Tokuhara
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。