【W杯】日本の失点は理不尽「『冗談じゃねえよ!』と思う」 “スペイン戦を捨てる”という絶好の機会を生かせなかった
後半に三笘や伊東が仕掛け、ようやく攻撃の鋭さが増したが…
相手が5バック+4枚で守備ブロックを作ってきた時、鎌田大地や上田綺世にボールを預けてすぐにサポートし、サイドに振るというのを徹底していかないと相手の守備はずれてこないし、それをやり続けなければいけなかった。
この日は上田のポストプレーも機能したとは言えず、前半は両サイドの仕掛けも怖さを欠いた。上田が前線にいるのであれば、多少アバウトなクロスでも勝負できるし、そのこぼれ球を狙うという選択肢もあるが、上田の良さを出そうとする感じも見えなかった。
後半に入って、三笘や伊東が仕掛ける場面が増えてから、ようやく攻撃の鋭さが増したが、本来はサイドからのあの攻撃を序盤からやらないといけない。そして、ゴールが決まるまでやり続けないといけない。一度決まってしまえば相手は出てこざるを得ないので、もっと余裕を持って攻撃を仕掛けることができるようになるし、展開もまた変わってくる。
選手も、後半の攻撃については多少手応えがあったはずだし、ああした攻撃を序盤からしなければいけないというのは分かっていたはずだ。ただ、それを繰り返しできなかった現実がある。とはいえ、先発が5人替わっていたのでやりにくさもあったはずだし、いつもの感覚が違ったはず。難しい展開になったのは、そうしたあたりも大きな要因だった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。