Jリーグで最先端をいく鹿島アントラーズのスタジアムビジネスとは
将来的には10面の芝生を栽培し、イベントごとに張り替える 「ターフプロジェクト」もその一つで、芝生の栽培技術をソニービジネスソリューション、セキシン電機、信州大と共同で研究。将来的には10面の芝生を栽培しながら、イベントごとに張り替えることを計画する。 実現すれば、試合と試合の間の短期間でコンサートや運動会等を実施することも夢ではない。現に最先端をいく欧州ではすでに14時間で芝を張り替え、48時間後に試合を行う例もあるのだ。 日本では依然として指定管理者となるためのハードルは高く、鹿島ほどスタジアムを多角的に活用できているクラブはない。 「全体の事業収入の中である程度の核になるまで、あと5年もかからないはず。われわれは他クラブよりも5年から7年先を走っていると思う」 鈴木はそう胸を張る。将来、ホテルやカジノまで完備する、なんてこともあるかもしれない。鹿島が示すスタジアムビジネスは、安定的な収益構造が見いだせていないJリーグにとって希望の光でもある。 【了】 佐藤岳●文 text by Gaku Sato