【W杯】日本代表、コスタリカ戦の「攻略ポイント」 厄介な18歳アタッカーに要注意、マークの受け渡しが1つの鍵に
【識者コラム】あとがないコスタリカとの一戦、相手の出方を見極められるか
日本代表が強豪のドイツ代表に2-1の逆転勝利した一方で、コスタリカ代表はスペイン代表を相手に7失点。頼れる守護神ケイラー・ナバスを持ってしても、その流れを止めることはできなかった。失点もさることながら、シュートを1本も記録できなかったというのはスペインとの実力差を加味してもイレギュラーで、チームも躍進を期待したコスタリカ国民もショックだろう。
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「初戦では0-7という大敗をしましたが、だからこそコスタリカが我々との戦いにかけてくるということ、そして敗戦の後のリバウンドメンタリティーとしても非常に強い気持ちを持って、我々に対して戦いを挑んでくると思います」
森保一監督はそう語ったが、やはり堅守速攻で知られるコスタリカが、この大敗を受けてどういう出方をしてくるか、そこに日本がどう対応していくかがキーポイントになる。前日会見で4-4-2からのシステムチェンジを否定しなかったスアレス監督。5バックはスペイン戦でも途中から使っているが、2014年ワールドカップ(W杯)でベスト8進出のベースになった5-2-3(攻撃時には3-4-3になる)で来る可能性もある。
ドイツ戦は前半45分のみで交代したMF久保建英はコスタリカ戦でもスタメンの可能性がある。その久保は「相手はあとがないなか、たぶん前から結構来ると思うので。どちらかというと1試合目の前半とか後半の立ち上がりのように、カウンターが日本代表は増えるのかなと思う」と予想する。基本的には堅守速攻のベースを崩さずに、素早い攻撃の中で縦の矢印を強めることが想定しやすいが、先入観にとらわれすぎて、予想と違った時にバタバタするのは一番まずい。
コスタリカの出方というのは個々が見極めるだけでなく、すぐにコミュニケーションを取って共有しておかないと、対応がバラバラになって破られてしまうリスクもある。
日本はおそらくドイツ戦の前半と同じ4-2-3-1で、守備時には4-4-2になるが、コスタリカがロングボールを蹴ってくるのか、うしろからつないでくるのかというのも早い時間帯で見極めて、ピッチ内で共有していきたいところ。スタメンの可能性もあるMF相馬勇紀はコスタリカが、スペインに対して「結構センターバックから蹴り込んでいた印象だった」と語る。
そこのロングボールには警戒をしながら「逆にサイドバックに入った時はハメどころでチャンスだと思うので、狙っていきたい」という。つまり相馬の担当エリアになるサイドの高い位置でコスタリカの攻撃を規制したり、うまくボール奪取につなげられれば、得意のショートカウンターに持ち込むことができる。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。