【W杯】インパクトを放つ“大会デビューの7人” スペインの18歳至宝、代表初キャップで躍動の28歳GKら厳選
【識者コラム】今大会でW杯デビュー、活躍が目立った7人をセレクト
カタール・ワールドカップ(W杯)は、グループリーグ第2節へと突入。前評判通りのパフォーマンスで存在感を放つ選手、あるいはその逆で、ノーマークながら驚きの活躍を見せたプレーヤーもいた中で、ここでは今大会でW杯デビューを飾った選手のうち、活躍が目立った7人をピックアップして紹介する。
■MFジュード・ベリンガム(イングランド代表/ボルシア・ドルトムント/19歳)
グループ初戦では中盤で躍動し、6-2でイラン代表に大勝した立役者となった。5バックのイランに対して、中盤のパスワークからするすると駆け上がり、DFルーク・ショーが上げたクロスに合わせてゴールラッシュの口火を切る先制点を奪取。CKでリードを広げたイングランド代表の3点目はカウンターからベリンガムが巧妙につなぎ、FWハリー・ケインのアシストからFWラヒーム・スターリングのゴールとなった。効果的なフリーランでFWブヨコ・サカが決めた4点目にも間接的に関与したプレーも見事と言えるだろう。開催国として優勝した1966年大会以来、フットボールの母国に優勝をもたらせるか。
■DFテオ・エルナンデス(フランス代表/ACミラン/25歳)
アンダーカテゴリーの代表で主力を担ってきたが、A代表では兄のリュカ・エルナンデスがいることから、ルーツであるスペイン代表を目指すことも噂された。しかし、昨年A代表デビューを果たし、晴れてW杯のメンバー入り。オーストラリア戦で先発したリュカのまさかの負傷により、前半13分から急遽投入された。このアクシデントにも動揺することなく相手の仕掛けを封じると、CKのセカンドボールから良質なクロスでMFアドリアン・ラビオの同点ゴールをアシスト。その後も安定した守備、ビルドアップ、縦の攻め上がりで4-1の逆転勝利を支えた。右膝前十字靭帯断裂と発表された兄の無念を晴らすべく、連覇を目指すフランス代表の左サイドを支えることになりそうだ。
■MFガビ(スペイン代表/FCバルセロナ/18歳)
コスタリカ代表に7-0で勝利したスペイン代表で18歳のMFが躍動した。バルセロナの同僚MFセルヒオ・ブスケツ、MFペドリと中盤のトライアングルを組んだガビは、FWダニ・オルモとのコンビネーションで先制点を演出すると、3-0で迎えた後半に今度はFWフェラン・トーレスとの見事なコンビネーションから4点目をアシスト。チームの5点目はFWアルバロ・モラタのクロスに右足ボレーでコスタリカの名手GKケイラー・ナバスを破った。抜群のテクニックはもちろん、味方とビジョンを共有し、ゴールの起点にもなれるセンスにも注目だ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。