「東京五輪の出場は通過点にすぎない」 川崎の19歳新星が見据える2年後の壮大な野望
「ロシアW杯にも選ばれるチャンスはある」
三好は1997年生まれの世代。つまり、東京オリンピック世代だ。そのことについて意識をするか否かを尋ねられた際は、予想外な言葉を口にした。
「東京五輪の出場は、あくまで通過点にすぎないと思っています。それに、東京五輪より前にロシアワールドカップ(W杯)がありますしね。2年後は21歳なので、活躍次第で呼ばれるチャンスは全然あると思っています。そこを目指しています」
東京五輪はキャリアにおいて通過点と言い切った三好は、それよりも前に2018年に開催されるロシアW杯への出場を目指していると明言した。
この日の試合では、中盤のマッチアップで相手MF中町公祐とのやり合いがエキサイトするシーンもあったが「相手が怒って冷静さを失ってくれれば、それに越したことはない。自分としてはやりやすくなるので」と、毅然とした物腰で振り返った。締めくくりは「正直、ヒーローインタビューの内容も考え始めていたんですけどね……。(失点に絡んだのが)もったいなかったなって」と笑顔を交えて口にし、将来の大物ぶりも予感させた。
主将のMF中村憲剛は「あまり騒ぎすぎないでほしいけど……あいつには東京五輪が見えてきているからね」と、川崎の未来を担う19歳に期待の言葉を添えていた。東京五輪ではエース候補として期待が寄せられるなか、三好が抱く野望と現在の成長スピードを考えれば、それよりも前にロシアW杯出場を叶えることも決して不可能ではないだろう。
【了】
城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku
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