【W杯】なぜ日本戦黒星は起こった? ドイツ人記者が悔やむ“同じ過ち”と解消されない問題点
後半序盤で追加点を奪えなかったことがドイツは分岐点に
日本代表はワールドカップ(W杯)で4回の優勝を誇るドイツ代表にグループリーグ戦で2-1と破り、世界に衝撃を与えた。勝利から1日が経ち、ポルトガル代表対ガーナ代表の取材に来ていたドイツメディア「T-Online」のノア・プラシュコ記者を直撃した。
プラシュコ記者は、試合前から場内の静けさに嫌な予感がしていたという。「あまりにもスタジアムが静かだったんだ。日本のサポーターが声を出していたと思う。でも、ドイツのファンはほとんどいなかった。それは関係ないかもしれないけれどね」と言い、ピッチでのチームのパフォーマンスについて分析した。
「これはハンス・フリック監督が率いるチームの問題なのだが、彼らはリードした時に集中力を失ってしまう。ドイツらしくない? だが、それが現状だ。(UEFA)ネーションズリーグでも、イングランドに2-0とリードしていたのに、10分くらいで3点を取られてひっくり返されてしまった。あの時は3-3に追い付けたのが救いだったけれどね。でも、これはチームがこれまでも抱えている問題だ」
そして、「チームは受け身になり過ぎた。時間の経過とともに、攻撃を仕掛ける日本の選手たちがどんどん自信を深めていっていることが伝わった。だから僕の試合の総括としては、負ける必要のない試合だったが、彼らは先月と同じ間違いをしてしまった」と、プラシュコ記者は首を振った。
試合の分岐点は後半の立ち上がり。ドイツがチャンスを作っていた時間帯に、2点目を取れなかったことだという。
「後半35分くらいまでは、ドイツは何度かのチャンスがあった。(イルカイ・)ギュンドアンのシュートがポストに当たったり、(ジャマル・)ムシアラにも点を取るチャンスがあった。点を取る力に欠けていた。しかし、後半にシステムを変えた日本は2点を取った。ドイツにはまだアディショナルタイムを含めて17分の時間が残っていた。でも、集中した日本の守備を破ることができなかった。日本とは異なり、ドイツの選手交代も機能しなかったね。相手にリードされ、守備を固められた時、解決策がないというのも今のドイツの問題なんだよ。動いて、ボールを走らせても、ミスが出てしまう。解決策を見つけるためのシンキングスピードが足りないのかもしれないね」