【W杯】長友佑都「ドーハの奇跡ではなく、必然」 日本代表を支える“歴史”説く「たくさんの先輩方が…」
カズから受け取ったメッセージ「ハットをかぶる時は確認の連絡を」
日本代表は、11月23日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)グループE第1戦のドイツ代表戦に2-1で勝利した。W杯4大会優勝の実績あるヨーロッパの強豪国に対する逆転勝利は、「ドーハの奇跡」と報じられている。
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1993年のアメリカW杯最終予選で、日本は最後のイラク代表戦に勝てばW杯出場を実現できるところまで来ていたが、2-1とリードして迎えた後半ロスタイムに同点ゴールを決められ、W杯初出場を逃した。その舞台となったのはドーハであり、この時の敗戦は「ドーハの悲劇」と呼ばれている。
この「ドーハの悲劇」を含め、これまで日本代表が積み重ねてきた歴史が、現在の日本代表を支えていると、4度目のW杯出場を果たしたDF長友佑都(FC東京)は言う。
「これまでの経験もそうですし、ドーハの悲劇から、たくさんの日本代表の先輩方が、いろんな風景を僕たちに見せてくれた。そういうことも含めて、僕たちが経験したことも、そのすべてが今につながっている。『“ドーハの悲劇”から“ドーハの奇跡”に変わった」と言われますが、これも奇跡ではなく、自分たちでつかんだ必然かなと思っています』
そのドーハの悲劇の瞬間、ピッチに立っていたカズこと元日本代表FW三浦知良も、この試合をスタンドから見ていた。カズとは連絡を取り合っており、長友は試合前に受け取っていたメッセージについて明かした。
「カズさんからも連絡いただきました。『頑張ってください』ということと、『ハットをかぶる時は確認の連絡をしてください』と、笑い付きで連絡が来たので、『すみません。しっかり連絡させていただきます』と、返せてもらいました」と、成田空港を出発する際に、ハットをかぶっていたことをイジられたことを明かしている。
おそらくカズも、大きな刺激を受けたであろうドイツ戦。しかし、中3日で迎えるコスタリカ代表戦に勝利できなければ、グループリーグ突破に向けての意味は減少してしまう。日本は過去に1996年のアトランタ五輪の際にも、2勝1敗でU-23ブラジル代表、U-23ナイジェリア代表と並んだが、3位になって敗退したことがある。
長友は「もちろん昨日は、みんな喜んでいたし、喜びに包まれていた。今朝、朝食の時にみんなに会うと、もう引き締まった顔をしていて、次に気持ちが進んでいる。絶対に勝ち点3を取らないといけない。大量得点を狙いにいくと、裏を突かれて足元をすくわれるので、勝点3をしっかり取りにいく。みんなそんな意識でいます」と、スペインが大量得点したムードに流されず、しっかり勝点3を積み上げることが重要だと強調した。
そして、「ここもやっぱり、ベテランの選手たちの振る舞いが非常に大事になってくるなと思います。勝ったあとに非常に良いチーム状態になったあと、足元をすくわれた経験もしています。W杯の最終予選のオマーン戦でも、そう。そういう経験をしてきたので、特にベテランの選手たち、僕たちがいる意義、チームにいる本当の価値が問われているなと感じています。まずはしっかりと自分自身の心を引き締めること。そそこがしっかりできれば、自然と後輩たちに伝わる振る舞いができるんじゃないかなと思います」と、自身もまた後輩たちの模範となっていくことを誓った。