前半劣勢も布陣変更から流れ一変、堂安＆浅野ゴールで勝利

　日本代表のカタール・ワールドカップ（Ｗ杯）初戦、ドイツ代表戦が11月23日に行われ、前半33分にPKで失点するも後半にMF堂安律が同点ゴールを奪い、さらにFW浅野拓磨の決勝ゴールで2-1の逆転勝ちを収めた。

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　日本を率いる森保一監督は4-2-3-1を選択。1トップにFW前田大然が入り、2列目はMF伊東純也、MF鎌田大地、MF久保建英でダブルボランチはMF遠藤航と田中碧。最終ラインはDF酒井宏樹、DF板倉滉、DF吉田麻也、DF長友佑都でGKは権田修一が入った。

　一方、W杯4回優勝の強豪ドイツはDFニクラス・ズーレを右サイドバックに起用。ベテランMFトーマス・ミュラーがトップ下に入って前線にはFWカイ・ハフェルツが起用された。

　ボール支配率はドイツが圧倒する展開の中で日本は前半8分、中盤で鎌田がMFイルカイ・ギュンドアンからボールを奪うと速攻。右サイドの伊東からのアーリークロスに前田が飛び込んでゴールネットを揺らしたが、前田のオフサイドでゴールは認められなかった。逆にドイツは前半20分にゴール正面からMFジョシュア・キミッヒが強烈ミドルを放ったが、権田がしっかり反応して弾き出した。

　次第に自陣に釘付けになってしまう時間が長くなった日本は前半31分、サイドチェンジで一気にフリーになったDFダビド・ラウムに対して権田が飛び出したが、キープするラウムに距離を詰めたところでファウルを犯してしまいPKの判定。これをギュンドアンにゴール中央へ蹴り込まれ、前半33分のゴールで0-1のビハインドを背負った。

　さらに前半アディショナルタイム、ペナルティーエリア内で揺さぶられて最終的にハフェルツに押し込まれた。しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー（VAR）のチェックでハフェルツがわずかにオフサイドと判定され、日本は1点ビハインドのままハーフタイムへの突入になった。

　日本はハーフタイム明けに久保に代えてDF冨安健洋を投入して3バックに変更した。後半12分には長友に代えてMF三笘薫、前田に代えてFW浅野拓磨を投入し、スピードや突破力のある選手たちを並べる森保監督の狙いが明確になった。ドイツも日本を前方に引き出してから裏返すような戦術的な変更を見せ、後半15分にはゴール正面からフリーでギュンドアンがシュート。これはゴールポストに弾かれ日本は事なきを得た。

　後半25分過ぎにはペナルティーエリア内に侵入され決定機を作られたものの、権田が立て続けに4本のファインセーブを見せて何とか失点を免れた。直後に日本は田中に代えてMF堂安律を入れると後半28分、ペナルティーエリア内で伊東が受けると至近距離のシュートを放ったがGKマヌエル・ノイアーに弾かれた。さらにこぼれ球に酒井が詰めたが、枠外に飛んでしまった。直後に日本は酒井に代えてMF南野拓実を投入し、ピッチ上には攻撃的な選手が多く配置された。

　攻撃的に試合を支配し始めた日本は後半30分、ゴール前に三笘がボールを持ったところからペナルティーエリア内で南野が受け、中央への折り返しをノイアーが弾いたところを堂安が蹴り込んで同点ゴール。さらに後半38分、最終ラインから1本のロングパスを受けた浅野がペナルティーエリア内へ侵入。ノイアーのニア上を撃ち抜く強烈シュートを決めて2-1の逆転に成功。森保監督が執念を見せた采配が実った。

　前後半の45分間で全く違った表情になったゲームで、日本はW杯で通算3回目となった優勝経験国との対戦で初めて勝ち点3をもぎ取った。