【W杯】グループEの“凄いヤングタレント”厳選6人 森保ジャパンが「最も警戒すべき」は?
コスタリカFWベネットがスーパースター候補生
■ニコ・ウィリアムズ(スペイン代表FW/ビジャレアル/20歳)
抜群の身体能力とスピードに加えて、左右の足でゴールを狙える新時代のエース候補。ビルバオで1トップを担う兄のイニャキはカメルーン代表を選択した。ニコはウイングを本職とする選手だが、中央でもプレーできる。22歳のフェラン・トーレス、同じ20歳のジェレミ・ピノというFW陣に若手のライバルはいるが、打開力という基準では特筆に値するものがあり、ルイス・エンリケ監督も勝負どころで起用してきそうだ。
■ジェウィソン・ベネット(コスタリカ代表FW/サンダーランド/18歳)
実は日本が最も警戒しないといけないタレントで、パリ五輪を目指すU-21日本代表の大岩剛監督も才能を認めていた。イングランドのサンダーランド所属で、まだ国際的にそれほど名は知られていないが、左サイドハーフのポジションから多くの攻撃局面に絡んで、最後はボックス内でゴールを仕留めるワイドストライカーとも言うべき選手だ。ボールを持ったら前向きに仕掛けるセンスに加えて、オフでも嫌らしいところにポジションを取って来る。何より18歳とはにわかに信じがたい堂々とした立ち居振る舞いが、スーパースターの誕生を予感させる。
■ダニエル・チャコン(コスタリカ代表DF/コロラド・ラピッズ2/21歳)
元々センターバックだったが、中盤にポジションを上げて覚醒的な成長を遂げた。ニュージーランドとの大陸間プレーオフで、途中から投入されて守備を引き締めて、本大会出場に貢献する働きを見せると、さらに出番を増やした。身体の強さを生かしたボール奪取から効果的な展開で、カウンターの起点になる。欧州行きも噂されるなかで、国内クラブのカルタヒネスからMLS(メジャーリーグサッカー)のコロラド・ラピッズに加入したが、今大会の活躍いかんでは欧州クラブからオファーが舞い込んでも全く不思議ではない。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。