アルゼンチンの優勝は神のみぞ知る W杯会場でカメラマンが“笑顔と十字”で回答
【カメラマンの目】スタジアム入場前の待機中にアルゼンチンのカメラマンに質問
いまの時代、安全を考えると致し方ないがサッカーの国際大会になるとセキュリティーに関してかなり厳しい規制を受けることになる。カタール・ワールドカップ(W杯)3日目。アルゼンチン対サウジアラビア戦が行われるルサイル・スタジアム。
報道陣はスタジアム内に入る前にアクレディテーションカードのQRコードを読み取り、入場の許可を得るのだが、ここで不許可のブザーがなる。東南アジア出身のセキュリティーのボスにどうして通れないのかと尋ねると、入れる時間が決まっていて、その時間に15分早いから入れないとのことだった。
ここでアルゼンチンのカメラマン2人もやって来て通過時間まで待つことにする。いざ、時間になりX線チェックを受けたのだが、ここで一人のアルゼンチンカメラマンが金属探知機のチェックに引っ掛かってしまう。ポケットが空であることら見せ、ベルトも外す。それでも金属所持のブザーが鳴る。しまいにはジーパンを腰まで下ろして下着も見せていた。
どうしてチェック音が鳴ったのかは定かではないが、ここで優勝も現実的に考えられるアルゼンチンカメラマンの彼らと雑談をした。サウジアラビアとの一戦について聞くと「中東のチームだから、やりづらい試合になるだろう」とちょっと消極的な答え。それでも希望を含めて3-0で勝つと言っていた。
最後に「アルゼンチンは優勝するかな」と聞くと若い方のカメラマンは十字を切って笑顔を見せた。
アルゼンチンの優勝は神のみぞ知るということか。リオネル・メッシにとって最後となるであろうW杯で彼は神のご加護のもと世界チャンピオンの称号を手に入れられるだろうか。
FOOTBALL ZONE特派・徳原隆元 / Takamoto Tokuhara
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。