寡黙な男が若手選手の指導にも尽力 現役引退の駒野友一が今治の4年間で残したもの
今治に「失敗を恐れずトライする」魂を残し、家族の元へ帰る
しかしながら、そんな今治と駒野との幸せな4年間の一方で、長き単身赴任を強いられた彼の家族は寂しさを常に抱えていた。引退セレモニーで「パパは一番の憧れのサッカー選手」とお父さんへの手紙を読んだ小学生の長男は時に涙を拭いながら、こう訴えた。
「幼稚園生の時からパパと離れ離れで暮らすことは寂しかったです。パパと一緒にいっぱいサッカーしたい。旅行に行ったり、公園に行ったりしたいです」
もう心配することはない。今治での駒野の勤めは終わった。だから私たちは長男の言葉を借りて、ともに感謝の言葉を込めて、日本屈指のSBを家族の元へ返したい。
「日本のために闘ってくれてありがとう。感動を与えてくれてありがとう」
そして、来季から闘いの場は新たなサッカー専用スタジアム「里山スタジアム」へ。今季2位に勝ち点差7差の5位と奮闘した今治は「失敗を恐れずトライする」駒野の魂を引き継ぎ、2023年にJ3・4年目でのJ2初昇格を期す。