インテルのトヒル会長とモラッティ前名誉会長が雪解け 新旧トップ会談で難局突破へ

批判回避には前名物会長の力が不可欠

 インテルのインドネシア人富豪エリック・トヒル会長と、名誉会長を退任したマッシモ・モラッティ氏の間に確執がうわさされていたが、雪解け会談の席を設けるようだ。イタリア地元紙「トゥット・スポルト」紙が「舞台裏。トヒルとモラッティが凍結を解く」と報じている。
 トヒル会長は、名門クラブが欧州での競争力を失った理由にモラッティ前会長時代の旧態依然とした放漫なオーナー経営にあったと定義付けした。そのため、旧経営者と、インドネシア人との関係は完全に冷え切っていた。そして、モラッティ氏が名誉会長の座からも退くことでその確執が表面化していた。
 しかし、トヒル会長は、11日のインドネシアへの帰国までに株主総会で前名誉会長と会談を持つことになったという。そこで、すでに一度クラブから退いた、モラッティ時代の相談役3人の復帰などを受け入れることになるというのだ。
 記事では、「トヒルは、ここ数週間、この石油王(モラッティ氏)の降板による空虚さに気が付いた。モラッティは、メディアの避雷針であるだけではなく、スポンサーのマスターキーでもある。サッカーの技術的な経営者としても経験が豊富だということ。言わずもがな。その点で、マッツァーリ監督の業績についても話されるだろう」としている。
 モラッティ氏は惜しみなくポケットマネーを注ぎ、クラブを欧州屈指の名門へと育て上げた。メディアからは絶大な人気を誇り、スポンサーとは強固な関係を築いた。さらに、監督人事などに関する鋭敏な感覚も持ち合わせている。トヒル会長の経営に関しても必要不可欠な存在に変わりはない。モラッティ名誉会長の退陣をめぐり、サンプドリアの会長などからトヒル会長を非難する声も出ていたほどだ。
 インテルは今季4勝4敗3分けで9位と低迷中。ワルテル・マッツァーリ監督の去就問題などで、サポーターからの批判もクラブに集中している。微妙な時期の手綱さばきを経験したことがないトヒル会長は、修羅場を乗り切るため、先人の知恵に頼るつもりだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング