なぜ冨安健洋と三笘薫は活躍できる? プレミア解説者が見た日本人選手2人の“凄み”

アーセナルの冨安健洋(左)とブライトンの三笘薫【写真:Getty Images & ロイター】
アーセナルの冨安健洋(左)とブライトンの三笘薫【写真:Getty Images & ロイター】

【インタビュー】プレミア解説でお馴染みのベン・メイブリー氏が冨安と三笘を称賛

 2022-23シーズンのプレミアリーグは、冬季開催となるカタール・ワールドカップ(W杯)による中断期間に入った。プレミアリーグを生中継している「ABEMA(アベマ)」の収録前に、同リーグ中継の解説でお馴染みのベン・メイブリー氏に世界最高峰の舞台で活躍する2人の日本人選手、アーセナルのDF冨安健洋とブライトンのMF三笘薫について、ここまでの活躍を振り返ってもらった。(取材・文=石川遼)

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――今シーズン、プレミアリーグで活躍する2人の日本人選手について聞かせてください。まずは首位アーセナルのDF冨安健洋選手。今季は負傷で出遅れた影響からベンチスタートが続いていましたが、徐々に左サイドバック(SB)として出番を増やしてきました。

「冨安はアンラッキーなタイミングで怪我をしてしまい開幕戦にはいなかったのですが、もしあの怪我がなかったら昨シーズンと同じ右SBに入り、ベン・ホワイトは今もセンターバックだったかもしれません。冨安がいなかったこともあって、(ウィリアン・)サリバがいきなりスタメンになり、それが上手くいってその後も変える必要がなかった。UEFAヨーロッパリーグ(EL)では少しターンオーバーをしていますが、冨安の評価が落ちたということではなく、単に怪我をしたタイミングが悪かったということです。試合に出ている時は活躍してますからね」

――冨安選手がミケル・アルテタ監督からの信頼を得ている大きな要因はどこにあると思いますか?

「私は特にそのオールラウンドな力に注目しています。英国では、彼が元々はセンターバック(CB)だということに気づいていない人が実は多いです。アーセナルでも時々、試合の途中からCBをやっていますけど、現地のコメンテーターも『本職はSBの冨安』と言うくらい(笑)。それだけSBでレベルの高いプレーをしているということです。それが右サイドでも左サイドでも変わらないのは本当に驚くべきことです」

――開幕直後、アーセナルの左SBはマンチェスター・シティから加入したMFオレクサンドル・ジンチェンコがレギュラーポジションを掴んでいました。そのジンチェンコが怪我で離脱した時、アルテタ監督はDFキーラン・ティアニーではなく冨安を抜擢しましたよね。ジンチェンコは中央に絞ってビルドアップを助けるようなプレーができる選手ですが、それと似たような役割ができる冨安が優先されたということなのでしょうか?

「おそらくそうだと思います。ティアニーとジンチェンコは全然タイプが違う選手です。ティアニーは基本的に外側を攻めていく。昨シーズンだったら、ティアニーが左サイドをオーバーラップした時に、グラニト・ジャカが残って背後のポジションをカバーしていました。しかし、今はジャカをより高い位置に残したいので、ティアニーのように積極的にオーバーラップするSBよりも、ジンチェンコのように中央に入る動きができるSBが好まれている印象です。そこで冨安選手の適応力の高さが生きてきたのだと思います」

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