教え子の森脇良太が語るU-16日本代表監督の哲学 “森山イズム”の神髄「気持ちには引力がある」

「ゴリさんには本当に頑張ってほしい」

 当時の森脇は、自身が「全く世代別代表には縁がなかった」と語る選手だったが、森山監督の指導を受け、諦めずにプレーしてきたことでプロ入りの道を切り開いた。だからこそ、森山監督が率いるチームの成功を祈る気持ちは強い。

「映像を見たいと思いながら、まだ実現はしていないんですけど、良い戦いをしているというのは聞こえてきます。選手たちは世界大会に出ることで多くのことを学んでほしいなと思いますね。ゴリさんには本当に頑張ってほしいとしか言いようがないですけど、勝負には勝ち負けがあるなかでもベストを尽くしてほしいです」

 森山監督は、広島ユース時代から“気持ち”を大切にする指導に定評があった。グループステージ突破を決めた22日のオーストラリア戦では、これまでに出場機会が少なかった選手を多く起用して6-0の勝利を収めたが、「このプレーを見て、主力で出てきた選手たちが何も感じなければ、感受性が足りない」と話す。そうしたハートから動くチームを、このU-16日本代表でも作り上げてきた。

 25日にはU-17ワールドカップの出場権が懸かった大一番・準々決勝UAE戦が控えるが、「気持ちには引力がある」という森山イズムで、世界大会への切符を引き寄せることができるはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro KUTSUWADA

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

 

 

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